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AWS 資格の合格率は公表されていない|公式の合格スコアと採点の仕組みから合否を自己判定する方法

2026-08-07
NicheeLab編集部

「AWS 資格の合格率は何%か」は AWS 認定に関する検索でも上位に来る疑問ですが、その答えは少し居心地の悪いものです。AWS は合格率を一度も公表していません。ブログや掲示板で見かける数字はすべて誰かの推測であり、AWS までたどれる出典はありません。 本記事では推測をもう一つ増やすことはしません。代わりに、AWS が実際に公開している情報 — 合格スコア、100〜1,000 のスケールドスコア、補正採点、非採点問題 — を整理し、 そこから「自分は今日受けて受かるのか」を判断する具体的な手順に落とし込みます。

まず結論

AWS はすべての認定試験について合格率を公表していません。ネット上の「合格率は約 XX%」はすべて公式根拠のない推測値です。 公式なのは合格スコアのほうで、100〜1,000 点満点のうち CLF-C02 は 700 点、SAA-C03 は 720 点、SAP-C02 は 750 点。噂の%ではなく、この基準に対して自分の到達度を測るべきです。

公式に確認できる合格スコア一覧

AWS 認定は Foundational / Associate / Professional / Specialty の 4 ティアに整理されていますが、合格スコアはティア単位ではなく試験ごとに個別に設定されています。 下表には、nicheelab が現行の公式試験ガイドで直接確認できた試験のみを数値付きで掲載しています。 それ以外の試験については、未確認の数字を書き写すことはせず空欄としました。該当試験の公式試験ガイドを直接ご確認ください。

試験ティア合格スコアスコアレンジ
AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02)Foundational700100 - 1,000
AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03)Associate720100 - 1,000
AWS Certified Solutions Architect – Professional (SAP-C02)Professional750100 - 1,000
上記以外の Associate / Professional / Specialty 試験各ティア公式試験ガイドを参照100 - 1,000
合格率(全試験共通)公表されていない

ここで注目すべきは、ティアが上がるほど基準点そのものが上がっている点です。CLF から SAA で +20 点、SAA から SAP でさらに +30 点。 スケールドスコアは素点の百分率ではないため、この 30 点差は「Professional では、初見のシナリオに対してどれだけ安定して正しい判断を下せるか」という実質的な差を意味します。 採点の話ではなく難易度そのものを比較したい場合は AWS 資格の難易度比較 をご覧ください。

AWS 認定の採点はどういう仕組みか

合格率が知りたくなる根本の理由は、多くの受験者が「点数がどう作られているか」を知らないことにあります。 仕組みが分かってしまえば、合格率という数字への渇望はほとんど消えます。押さえるべきは次の 4 点です。

  • スケールドスコア(補正採点): スコアは 100〜1,000 のスケールで表されます。これは正解数をそのまま百分率にしたものではなく、試験バージョン間の難易度差を吸収するために補正された値です。同じ 720 点でも、素点の正解数は受けたバージョンによって異なりえます。
  • 分野別の足切りは無い: 合否は総合スコア 1 本で決まります。スコアレポートには分野別の到達度が表示されますが、これは学習の振り返り用であり、合否判定には使われません。1 分野が弱くても他で補えます。
  • 非採点問題が混ざっている: 将来の出題候補を検証するための問題が一定数含まれ、スコアには影響しません。どれが非採点かは試験中に判別できません。
  • 無回答は不正解扱い / 推測にペナルティは無い: 空欄で出すと不正解と同じ扱いです。減点方式ではないため、分からない問題でも必ず何かを選ぶのが常に正解の戦略です。

採点対象問題数の実際

非採点問題の仕組みは知らない受験者が多いので、数字を並べておきます。 提示される問題数と採点される問題数にはギャップがあり、しかもそれは小さくありません。CLF と SAA では、見た問題のおよそ 5 分の 1 が採点対象外です。

項目CLF-C02SAA-C03SAP-C02
総問題数65 問65 問75 問
採点対象50 問50 問65 問
非採点15 問15 問10 問
試験時間90 分130 分180 分
合格スコア700720750
1 問あたりの持ち時間約 83 秒約 120 秒約 144 秒
出題形式択一選択 / 複数選択択一選択 / 複数選択択一選択 / 複数選択

ここから実務的な示唆が 2 つ出ます。第一に、見たことのない問題が出たことは「落ちている証拠」ではありません。そもそも採点されていない可能性があります。 初見の問題が 3 問続いたところで動揺し、その後の易しい問題まで崩す受験者は少なくありませんが、失点の大半は問題そのものではなく動揺によるものです。 第二に、1 問あたりの持ち時間は見た目より厳しくなります。時計は非採点問題にも同じように進むからです。 CLF なら 1 問 1 分半を切る計算で、その時間内に決められない問題はフラグを立てて即座に飛ばすのが正しい振る舞いです。

なぜ「合格率○%」が出回るのか

AWS が一度も数字を出していないのに、なぜ%が大量に流通しているのか。この構造を明示しておく価値があります。流通している数字が「非公式」なだけでなく構造的に歪んでいる理由がそこにあるからです。

  • 母集団が受験者全体ではない: 集計元は SNS の合否報告やブログの受験記です。これは『受験して、かつ結果を公開する意思がある人』の集合であって、受験者全体の縮図ではありません。統計で言うところの自己選択バイアスがかかっています。
  • 合格報告のほうが投稿されやすい: 合格は報告されやすく、不合格は報告されにくい。この非対称が、集計値を実態より高い方向に押し上げます。逆に『落ちた』体験談だけを集めた記事は、実態より低い数字になります。
  • 数字が引用の連鎖で固定化する: 一度どこかに書かれた数字が、出典を確認されないまま次の記事に引用され、さらに次へ引き継がれます。3 回引用されると『よく見る数字』になり、4 回目には『定説』の顔をします。元をたどると根拠が無い、というのがよくある結末です。
  • 試験バージョンが混ざっている: 試験は改訂されます。旧バージョンの受験記と現行バージョンの受験記が同じ集計に混ざれば、その数字は「どの試験の合格率か」すら定義できません。

より本質的な問題は、仮に正確な合格率が存在したとしても、それはあなたの役に立たないという点です。 合格率 70% は「あなたが 70% の確率で受かる」ことを一切意味しません。あなたの合否はあなたの準備状態だけで決まり、集団の統計値は個人に転移しないからです。 「合格率が高いらしい」を受験予約の根拠にしてしまうと、不合格後の 14 日間の待機を経験することになります。

合格率の代わりに使う自己判定指標

合格率の代わりに使うべき指標を提示します。以下のしきい値は AWS 公式の基準ではなく、nicheelab の運用上の推奨値です。 公称の合格ラインより意図的に高く設定してあります。自宅で解く模試は、試験センターで時計に追われながら解く本番より必ず易しいからです。

指標CLF-C02SAA-C03SAP-C02
公称の合格ライン700 / 1,000720 / 1,000750 / 1,000
初見の模試での目標正答率80% 以上85% 以上85% 以上
必要な連続回数2 回連続3 回連続3 回連続
許容するスコアのぶれ幅±5 ポイント以内±5 ポイント以内±5 ポイント以内
解答時間の余裕15 分以上残す20 分以上残す20 分以上残す
最弱分野の正答率70% 以上70% 以上75% 以上
『なんとなく正解』の割合10% 未満10% 未満5% 未満

受験者が飛ばしがちなのが最後の行ですが、これが最も診断力の高い指標です。 1 問ごとに「他の選択肢がなぜ誤りかを説明できて選んだのか、それとも何となく選んだのか」を記録してください。 正答率 85% でも、そのうち 4 分の 1 が勘で当たったものなら実質は 65% です。そして 65% は問題セットが変わった瞬間に崩れます。 本番では推測にペナルティが無いので必ず何かを選ぶべきですが、学習段階では「説明できない正解」は不正解として記録するのが正しい運用です。

レベル別「受かる状態」とは何か

数値基準は数値基準として、その状態が実際にどういう感覚なのかも言語化しておきます。ティアごとの定性的な「受かる状態」は次のとおりです。

  • Foundational (CLF-C02): サービス名を見たときに『何をするサービスか』を 1 文で言える状態。設定の詳細は不要ですが、S3 と EBS と EFS の使い分け、責任共有モデルの境界、料金モデル(オンデマンド / リザーブド / Savings Plans / スポット)の違いを、迷いなく説明できることが条件です。逆に、サービス名の暗記だけで用途を説明できないなら、まだ届いていません。
  • Associate (SAA-C03): 要件文から制約条件を抜き出し、選択肢を消去法で 2 つまで絞れる状態。SAA の問題は『動く構成』を選ぶのではなく『要件を最もよく満たす構成』を選ぶ形式なので、4 択のうち 2 つは技術的には動きます。可用性が要件なのかコストが要件なのかを読み分けられるかどうかが分岐点です。
  • Professional (SAP-C02): 複数サービスを組み合わせた構成全体をトレードオフで比較できる状態。SAP では選択肢が長文になり、どれも一見もっともらしく見えます。マルチアカウント設計、移行戦略、既存構成の段階的改善といった、単一サービスの知識では割り切れないテーマが中心です。SAA レベルの知識を並べただけでは届きません。

自社の問題データから見た難易度の分布

公式の合格率が存在しない以上、代替として誠実に提示できるのは「学習材料そのものの難易度がティア間でどう変わるか」です。 nicheelab は AWS の問題を自社で作成し難易度タグを付与しており、3 試験の練習問題 1,200 問の難易度分布は体感ではなく実測値です。

試験easymediumhardhard 比率
CLF-C02149222297%
SAA-C031222314712%
SAP-C023124512431%

hard 比率は CLF から SAA でおよそ 2 倍、SAA から SAP でさらに約 3 倍になります。同時に easy が 149 問から 31 問へ激減します。 注目すべきはこの最後の数字です。Professional では暗記だけで答えられる問題がほぼ存在しないということを意味します。 合格ライン 720 点と 750 点の 30 点差の実体は、これです。 ティア間の難易度をより詳しく比較したい場合は AWS 資格の難易度比較、 そもそも取る価値があるのかという観点は AWS 資格は意味ないのか を参照してください。

受験日を決めるまでの手順

以上を踏まえて、合格率を探す代わりに実行すべき手順をまとめます。

  • 1. 受験する試験コードの公式試験ガイドを開き、合格スコアと出題分野の配点比率を確認する。ここが唯一の一次情報です。
  • 2. 配点比率の大きい分野から学習順序を組む。分野別の足切りが無いので、比率の大きい分野に時間を寄せるほど総合スコアの期待値が上がります。
  • 3. 分野別演習で穴を潰したうえで、初見の模擬試験を本番と同じ時間制限で解く。時間を計らない模試は自己判定の材料になりません。
  • 4. 上表の自己判定指標を満たすまで繰り返す。特に『説明できない正解』の割合を必ず記録すること。
  • 5. 基準を満たしたら予約する。なお不合格の場合、次の受験までに 14 日の待機期間があり、受験料は都度全額かかります。基準を下回った状態での見切り発車は、時間とコストの両方で不利です。

特定の試験を目指している場合は、試験別の記事でさらに掘り下げています。AWS クラウドプラクティショナー概要AWS SAA の難易度AWS SAA の合格率という問いAWS SAP-C02 概要。 必要な学習時間については AWS 資格のレベル別勉強時間 をご覧ください。

よくある質問

AWS 認定の合格率はどこで確認できますか?

確認できる場所はありません。AWS は自社のどの認定試験についても合格率を公表しておらず、公式サイト・試験ガイド・FAQ のいずれにも合格率を記載したページは存在しません。公式 FAQ にある『AWS では試験の合格スコアを公開していません』という記述は合格スコアの運用方針に関するもので、合格率とは別の話です(なお現行の各試験ガイドには合格スコアが明記されています)。したがって、検索結果に出てくる『AWS SAA の合格率は約 XX%』といった数字は、すべて出典のない推測値か、個人ブログや SNS の自己申告を誰かが集計したものです。nicheelab はこの数字を扱いません。代わりに、公式に確認できる合格スコアと採点の仕組みから逆算した自己判定指標を使うことを推奨します。

AWS 認定の合格スコアは何点ですか?

スコアレンジは 100〜1,000 点で、合格ラインは試験ごとに異なります。nicheelab が公式試験ガイドで確認できたのは、AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02) が 700 点、AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03) が 720 点、AWS Certified Solutions Architect – Professional (SAP-C02) が 750 点の 3 試験です。それ以外の試験については、各試験の公式試験ガイドに記載された合格スコアを直接確認してください。合格スコアは改訂のたびに見直される可能性があるため、受験する試験コードのガイドを見るのが唯一確実な方法です。

分野ごとに足切りはありますか?

ありません。AWS 認定は試験全体の総合スコアだけで合否が決まる方式で、分野別の最低点(足切り)は設けられていません。スコアレポートには分野ごとの成績が『十分な知識がある / 改善が必要』といった形で表示されますが、これは学習の振り返り用の参考情報であり、合否判定には使われません。したがって、苦手分野が 1 つあっても、他の分野で十分に得点できていれば合格します。逆に、全分野がまんべんなく合格ラインぎりぎりだと総合スコアが届かないこともあります。配点比率の大きい分野を優先的に固めるのが、総合スコアを最大化する合理的な戦略です。

採点されない問題が混ざっているというのは本当ですか?

本当です。AWS 認定試験には、将来の出題候補として統計を取るための非採点問題が含まれており、これらはスコアに一切影響しません。CLF-C02 は 65 問中 50 問が採点対象で 15 問が非採点、SAA-C03 も 65 問中 50 問が採点対象で 15 問が非採点、SAP-C02 は 75 問中 65 問が採点対象で 10 問が非採点です。どの問題が非採点かは試験中に判別できず、表示もされません。つまり、見たことのない難問に遭遇しても、それが採点対象かどうかは分からないということです。この仕組みを知っておくと、難問で動揺して残りの問題を落とすという最悪のパターンを避けられます。

合格率が分からないなら、何を基準に受験を判断すればいいですか?

自分の正答率の絶対値と安定度の 2 つで判断してください。合格率は『他人の集団がどうだったか』の話であり、あなたの合否には何の影響もありません。実際に効くのは、初見の問題セットで安定して合格ラインを上回れているかどうかです。nicheelab の推奨基準は、初見の模擬試験を複数回受けて、CLF なら 80% 以上、SAA なら 85% 以上、SAP なら 85% 以上を、ぶれ幅 5 ポイント以内で維持できている状態。スコアが 70% と 90% を行き来している段階は、たまたま知っている問題が出れば受かる状態であって、まだ受験のタイミングではありません。

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本記事の試験スペックは AWS 公式試験ガイド (CLF-C02SAA-C03SAP-C02) およびAWS 認定の受験ポリシーAWS 認定 FAQ に基づいています。 難易度分布は nicheelab 自社の AWS 問題データベースの実測値です。自己判定指標は nicheelab の推奨値であり、AWS 公式の基準ではありません。 本記事は Amazon Web Services の公式商品ではなく、いかなる提携・後援関係もありません。 AWS および Amazon Web Services は Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。 情報は 2026 年 8 月 7 日時点の公式公開資料に基づきます。最新情報は必ず公式ページをご確認ください。

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この記事の著者

NicheeLab編集部

データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。


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