「AWS 資格の合格率は何%か」は AWS 認定に関する検索でも上位に来る疑問ですが、その答えは少し居心地の悪いものです。AWS は合格率を一度も公表していません。ブログや掲示板で見かける数字はすべて誰かの推測であり、AWS までたどれる出典はありません。 本記事では推測をもう一つ増やすことはしません。代わりに、AWS が実際に公開している情報 — 合格スコア、100〜1,000 のスケールドスコア、補正採点、非採点問題 — を整理し、 そこから「自分は今日受けて受かるのか」を判断する具体的な手順に落とし込みます。
AWS はすべての認定試験について合格率を公表していません。ネット上の「合格率は約 XX%」はすべて公式根拠のない推測値です。 公式なのは合格スコアのほうで、100〜1,000 点満点のうち CLF-C02 は 700 点、SAA-C03 は 720 点、SAP-C02 は 750 点。噂の%ではなく、この基準に対して自分の到達度を測るべきです。
AWS 認定は Foundational / Associate / Professional / Specialty の 4 ティアに整理されていますが、合格スコアはティア単位ではなく試験ごとに個別に設定されています。 下表には、nicheelab が現行の公式試験ガイドで直接確認できた試験のみを数値付きで掲載しています。 それ以外の試験については、未確認の数字を書き写すことはせず空欄としました。該当試験の公式試験ガイドを直接ご確認ください。
| 試験 | ティア | 合格スコア | スコアレンジ |
|---|---|---|---|
| AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02) | Foundational | 700 | 100 - 1,000 |
| AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03) | Associate | 720 | 100 - 1,000 |
| AWS Certified Solutions Architect – Professional (SAP-C02) | Professional | 750 | 100 - 1,000 |
| 上記以外の Associate / Professional / Specialty 試験 | 各ティア | 公式試験ガイドを参照 | 100 - 1,000 |
| 合格率(全試験共通) | — | 公表されていない | — |
ここで注目すべきは、ティアが上がるほど基準点そのものが上がっている点です。CLF から SAA で +20 点、SAA から SAP でさらに +30 点。 スケールドスコアは素点の百分率ではないため、この 30 点差は「Professional では、初見のシナリオに対してどれだけ安定して正しい判断を下せるか」という実質的な差を意味します。 採点の話ではなく難易度そのものを比較したい場合は AWS 資格の難易度比較 をご覧ください。
合格率が知りたくなる根本の理由は、多くの受験者が「点数がどう作られているか」を知らないことにあります。 仕組みが分かってしまえば、合格率という数字への渇望はほとんど消えます。押さえるべきは次の 4 点です。
非採点問題の仕組みは知らない受験者が多いので、数字を並べておきます。 提示される問題数と採点される問題数にはギャップがあり、しかもそれは小さくありません。CLF と SAA では、見た問題のおよそ 5 分の 1 が採点対象外です。
| 項目 | CLF-C02 | SAA-C03 | SAP-C02 |
|---|---|---|---|
| 総問題数 | 65 問 | 65 問 | 75 問 |
| 採点対象 | 50 問 | 50 問 | 65 問 |
| 非採点 | 15 問 | 15 問 | 10 問 |
| 試験時間 | 90 分 | 130 分 | 180 分 |
| 合格スコア | 700 | 720 | 750 |
| 1 問あたりの持ち時間 | 約 83 秒 | 約 120 秒 | 約 144 秒 |
| 出題形式 | 択一選択 / 複数選択 | 択一選択 / 複数選択 | 択一選択 / 複数選択 |
ここから実務的な示唆が 2 つ出ます。第一に、見たことのない問題が出たことは「落ちている証拠」ではありません。そもそも採点されていない可能性があります。 初見の問題が 3 問続いたところで動揺し、その後の易しい問題まで崩す受験者は少なくありませんが、失点の大半は問題そのものではなく動揺によるものです。 第二に、1 問あたりの持ち時間は見た目より厳しくなります。時計は非採点問題にも同じように進むからです。 CLF なら 1 問 1 分半を切る計算で、その時間内に決められない問題はフラグを立てて即座に飛ばすのが正しい振る舞いです。
AWS が一度も数字を出していないのに、なぜ%が大量に流通しているのか。この構造を明示しておく価値があります。流通している数字が「非公式」なだけでなく構造的に歪んでいる理由がそこにあるからです。
より本質的な問題は、仮に正確な合格率が存在したとしても、それはあなたの役に立たないという点です。 合格率 70% は「あなたが 70% の確率で受かる」ことを一切意味しません。あなたの合否はあなたの準備状態だけで決まり、集団の統計値は個人に転移しないからです。 「合格率が高いらしい」を受験予約の根拠にしてしまうと、不合格後の 14 日間の待機を経験することになります。
合格率の代わりに使うべき指標を提示します。以下のしきい値は AWS 公式の基準ではなく、nicheelab の運用上の推奨値です。 公称の合格ラインより意図的に高く設定してあります。自宅で解く模試は、試験センターで時計に追われながら解く本番より必ず易しいからです。
| 指標 | CLF-C02 | SAA-C03 | SAP-C02 |
|---|---|---|---|
| 公称の合格ライン | 700 / 1,000 | 720 / 1,000 | 750 / 1,000 |
| 初見の模試での目標正答率 | 80% 以上 | 85% 以上 | 85% 以上 |
| 必要な連続回数 | 2 回連続 | 3 回連続 | 3 回連続 |
| 許容するスコアのぶれ幅 | ±5 ポイント以内 | ±5 ポイント以内 | ±5 ポイント以内 |
| 解答時間の余裕 | 15 分以上残す | 20 分以上残す | 20 分以上残す |
| 最弱分野の正答率 | 70% 以上 | 70% 以上 | 75% 以上 |
| 『なんとなく正解』の割合 | 10% 未満 | 10% 未満 | 5% 未満 |
受験者が飛ばしがちなのが最後の行ですが、これが最も診断力の高い指標です。 1 問ごとに「他の選択肢がなぜ誤りかを説明できて選んだのか、それとも何となく選んだのか」を記録してください。 正答率 85% でも、そのうち 4 分の 1 が勘で当たったものなら実質は 65% です。そして 65% は問題セットが変わった瞬間に崩れます。 本番では推測にペナルティが無いので必ず何かを選ぶべきですが、学習段階では「説明できない正解」は不正解として記録するのが正しい運用です。
数値基準は数値基準として、その状態が実際にどういう感覚なのかも言語化しておきます。ティアごとの定性的な「受かる状態」は次のとおりです。
公式の合格率が存在しない以上、代替として誠実に提示できるのは「学習材料そのものの難易度がティア間でどう変わるか」です。 nicheelab は AWS の問題を自社で作成し難易度タグを付与しており、3 試験の練習問題 1,200 問の難易度分布は体感ではなく実測値です。
| 試験 | easy | medium | hard | hard 比率 |
|---|---|---|---|---|
| CLF-C02 | 149 | 222 | 29 | 7% |
| SAA-C03 | 122 | 231 | 47 | 12% |
| SAP-C02 | 31 | 245 | 124 | 31% |
hard 比率は CLF から SAA でおよそ 2 倍、SAA から SAP でさらに約 3 倍になります。同時に easy が 149 問から 31 問へ激減します。 注目すべきはこの最後の数字です。Professional では暗記だけで答えられる問題がほぼ存在しないということを意味します。 合格ライン 720 点と 750 点の 30 点差の実体は、これです。 ティア間の難易度をより詳しく比較したい場合は AWS 資格の難易度比較、 そもそも取る価値があるのかという観点は AWS 資格は意味ないのか を参照してください。
以上を踏まえて、合格率を探す代わりに実行すべき手順をまとめます。
特定の試験を目指している場合は、試験別の記事でさらに掘り下げています。AWS クラウドプラクティショナー概要、AWS SAA の難易度、AWS SAA の合格率という問い、AWS SAP-C02 概要。 必要な学習時間については AWS 資格のレベル別勉強時間 をご覧ください。
AWS 認定の合格率はどこで確認できますか?
確認できる場所はありません。AWS は自社のどの認定試験についても合格率を公表しておらず、公式サイト・試験ガイド・FAQ のいずれにも合格率を記載したページは存在しません。公式 FAQ にある『AWS では試験の合格スコアを公開していません』という記述は合格スコアの運用方針に関するもので、合格率とは別の話です(なお現行の各試験ガイドには合格スコアが明記されています)。したがって、検索結果に出てくる『AWS SAA の合格率は約 XX%』といった数字は、すべて出典のない推測値か、個人ブログや SNS の自己申告を誰かが集計したものです。nicheelab はこの数字を扱いません。代わりに、公式に確認できる合格スコアと採点の仕組みから逆算した自己判定指標を使うことを推奨します。
AWS 認定の合格スコアは何点ですか?
スコアレンジは 100〜1,000 点で、合格ラインは試験ごとに異なります。nicheelab が公式試験ガイドで確認できたのは、AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02) が 700 点、AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03) が 720 点、AWS Certified Solutions Architect – Professional (SAP-C02) が 750 点の 3 試験です。それ以外の試験については、各試験の公式試験ガイドに記載された合格スコアを直接確認してください。合格スコアは改訂のたびに見直される可能性があるため、受験する試験コードのガイドを見るのが唯一確実な方法です。
分野ごとに足切りはありますか?
ありません。AWS 認定は試験全体の総合スコアだけで合否が決まる方式で、分野別の最低点(足切り)は設けられていません。スコアレポートには分野ごとの成績が『十分な知識がある / 改善が必要』といった形で表示されますが、これは学習の振り返り用の参考情報であり、合否判定には使われません。したがって、苦手分野が 1 つあっても、他の分野で十分に得点できていれば合格します。逆に、全分野がまんべんなく合格ラインぎりぎりだと総合スコアが届かないこともあります。配点比率の大きい分野を優先的に固めるのが、総合スコアを最大化する合理的な戦略です。
採点されない問題が混ざっているというのは本当ですか?
本当です。AWS 認定試験には、将来の出題候補として統計を取るための非採点問題が含まれており、これらはスコアに一切影響しません。CLF-C02 は 65 問中 50 問が採点対象で 15 問が非採点、SAA-C03 も 65 問中 50 問が採点対象で 15 問が非採点、SAP-C02 は 75 問中 65 問が採点対象で 10 問が非採点です。どの問題が非採点かは試験中に判別できず、表示もされません。つまり、見たことのない難問に遭遇しても、それが採点対象かどうかは分からないということです。この仕組みを知っておくと、難問で動揺して残りの問題を落とすという最悪のパターンを避けられます。
合格率が分からないなら、何を基準に受験を判断すればいいですか?
自分の正答率の絶対値と安定度の 2 つで判断してください。合格率は『他人の集団がどうだったか』の話であり、あなたの合否には何の影響もありません。実際に効くのは、初見の問題セットで安定して合格ラインを上回れているかどうかです。nicheelab の推奨基準は、初見の模擬試験を複数回受けて、CLF なら 80% 以上、SAA なら 85% 以上、SAP なら 85% 以上を、ぶれ幅 5 ポイント以内で維持できている状態。スコアが 70% と 90% を行き来している段階は、たまたま知っている問題が出れば受かる状態であって、まだ受験のタイミングではありません。
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本記事の試験スペックは AWS 公式試験ガイド (CLF-C02、SAA-C03、SAP-C02) およびAWS 認定の受験ポリシー、AWS 認定 FAQ に基づいています。 難易度分布は nicheelab 自社の AWS 問題データベースの実測値です。自己判定指標は nicheelab の推奨値であり、AWS 公式の基準ではありません。 本記事は Amazon Web Services の公式商品ではなく、いかなる提携・後援関係もありません。 AWS および Amazon Web Services は Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。 情報は 2026 年 8 月 7 日時点の公式公開資料に基づきます。最新情報は必ず公式ページをご確認ください。
NicheeLab編集部
データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。
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