文書化されていない資産の移行評価とビジネスケース作成 地域スーパーマーケットチェーンを買収した小売グループのソリューションアーキテクトが、買収先のアプリケーションとデータベースのポートフォリオを評価し、AWS への移行に関するビジネスケースを作成することになりました。買収先は自社データセンターでシステムを運用していますが、構成に関する文書がほとんど残っておらず、アプリケーションとデータベースが何本存在するのかすら把握できていません。アプリケーションのトラフィックは時間帯によって大きく変動し、一部は月末にのみ稼働するバッチ処理です。アーキテクトは移行に着手する前に、資産の全体像と相互の依存関係、そして移行後の想定コストを把握する必要があります。これらの要件を満たすソリューションはどれですか。
A AWS Application Migration Service (AWS MGN) と AWS Database Migration Service (AWS DMS) で移行を評価する。AWS Service Catalog を使ってアプリケーションとデータベースの依存関係を把握する B AWS Application Migration Service のエージェントをオンプレミスのインフラ上で実行し、AWS Migration Hub でエージェントを管理する。AWS Storage Gateway を使ってローカルストレージの要件とデータベースの依存関係を評価する C 移行先アカウントで AWS Control Tower を使ってアプリケーションポートフォリオを生成する。AWS Application Migration Service (AWS MGN) で詳細レポートとビジネスケースを作成し、コアアカウントとリソースにはランディングゾーンを使う D Migration Evaluator でサーバーのインベントリとビジネスケースレポートを作成する。AWS Migration Hub でポートフォリオを可視化し、AWS Application Discovery Service でアプリケーションの依存関係を把握する
解説を読む(正解: D) 移行の初期段階では、資産の棚卸し、依存関係の把握、そして経営層を説得するためのコスト比較を含むビジネスケース作成が必要になります。Migration Evaluator は、エージェントレスのコレクターまたはエージェントで既存サーバーの構成と稼働実績を収集し、月末バッチのような変動する使用状況も踏まえた適正サイズと AWS 費用の試算をビジネスケースレポートとして出力します。AWS Application Discovery Service は、サーバーのインベントリに加えて実行中のプロセスやネットワーク通信を収集してアプリケーション間の依存関係を可視化し、その結果は AWS Migration Hub に集約されるため、ポートフォリオ全体を単一の画面で追跡できます。文書が存在しない買収先環境を理解するという要件に、この組み合わせが最も適合します。AWS MGN と AWS DMS は移行を実際に実行するためのツールであり、評価やビジネスケース作成の機能は持ちません。AWS Service Catalog は承認済み製品のカタログを管理するサービスで、依存関係の分析はできません。MGN のエージェントを導入する案も移行実行段階の話であり、AWS Storage Gateway はハイブリッドストレージのサービスでデータベース依存関係の評価には使えません。AWS Control Tower はマルチアカウント環境のガバナンスを整えるサービスであり、オンプレミス資産のインベントリを生成する機能はありません。
移行前のネットワーク依存関係の可視化 ある食品流通企業は、自社データセンターを AWS へ移行する計画を立てています。現在の環境は VMware 上で稼働する Linux ベースの仮想マシン群で構成されています。ソリューションアーキテクトは、移行のウェーブ計画を立てるために、仮想マシン間のネットワーク依存関係に関する情報を収集する必要があります。この情報は、ホストの IP アドレス、ホスト名、およびサーバー間のネットワーク接続関係を示す図の形で提供されなければなりません。これらの要件を満たすソリューションはどれですか。
A AWS Application Discovery Service Agentless Collector を vCenter にデプロイしてサーバーのデータを収集する。AWS Migration Hub からネットワーク図を .png 形式でエクスポートする。 B AWS Application Migration Service のエージェントをオンプレミスサーバーにインストールしてデータを収集する。Workload Discovery on AWS で AWS Migration Hub のデータを使用してネットワーク図を生成する。 C AWS Application Migration Service のエージェントをオンプレミスサーバーにインストールしてデータを収集する。AWS Migration Hub のデータを .csv 形式で Amazon CloudWatch ダッシュボードにエクスポートしてネットワーク図を生成する。 D AWS Application Discovery Service を使用する。AWS Migration Hub のホームリージョンを設定し、データ収集のためにオンプレミスサーバーへ AWS Application Discovery Agent をインストールする。Migration Hub のネットワーク図を利用できるように Application Discovery Service に必要なアクセス許可を付与する。
解説を読む(正解: D) 移行計画では、どのサーバーがどのサーバーと通信しているかという依存関係を把握し、同時に移行すべきアプリケーション群 (ムーブグループ) を決めることが重要です。AWS Application Discovery Service には、vCenter から仮想マシンのインベントリと性能情報を取得する Agentless Collector と、各サーバーの OS 上で動作して稼働プロセスや TCP コネクションまで収集する Application Discovery Agent の 2 方式があります。ネットワーク接続関係の可視化に必要な「どのポートでどのホストと通信しているか」という情報を取得できるのはエージェント方式だけで、収集されたデータは AWS Migration Hub に集約され、ホスト名・IP アドレス・サーバー間の接続を示すネットワーク図として表示できます。したがって、ホームリージョンを設定してエージェントを導入し、Migration Hub でネットワーク図を利用する D が正解です。A の Agentless Collector は VM のインベントリと CPU/メモリ等の使用状況は取得しますが、プロセス単位のネットワーク接続情報は収集しないため、要求されたネットワーク図を作成できません。B と C の AWS Application Migration Service は、サーバーを AWS へレプリケートして起動するための移行実行サービスであり、依存関係の検出を目的としていません。加えて B の Workload Discovery on AWS は AWS アカウント内のリソースを可視化するソリューションで、オンプレミスのサーバー間依存関係を描くものではありません。C の CloudWatch ダッシュボードはメトリクスやログの可視化ツールであり、.csv を取り込んでネットワーク図を生成する機能はありません。
移行計画のための現状把握とコスト見積もり 損害保険会社が、自社のオンプレミスデータセンターを AWS クラウドへ移行しようとしています。データセンターには数千台の仮想化された Linux および Microsoft Windows サーバー、SAN ストレージ、MySQL を利用する Java および PHP アプリケーション、そして Oracle データベースが収容されています。さらに、同一データセンター内および社外にホストされた部門固有のサービスも多数存在します。技術文書は断片的で更新も止まっており、現状を正確に把握できていません。ソリューションアーキテクトは、現行環境の実態を把握したうえで、移行後の AWS リソースコストを見積もる必要があります。
クラウド移行を計画するために使用すべきツールまたはサービスを 3 つ選択してください。
A AWS Application Discovery Service B AWS Application Migration Service (AWS MGN) C AWS X-Ray D AWS Migration Evaluator E AWS Migration Hub F Amazon Inspector
判定する 複数選択問題です (正解 3 つ)。選んでから判定してください。
解説を読む(正解: A、D、E) 移行プロジェクトは「ディスカバリー (現状把握)」「ビジネスケース作成 (コスト見積もり)」「ポートフォリオ管理 (計画と追跡)」という順序で進めるのが定石であり、AWS はそれぞれに専用サービスを用意しています。選択肢 A の AWS Application Discovery Service は、エージェントまたはエージェントレスコレクターによってサーバーのスペック、稼働率、プロセス、サーバー間の通信情報を収集し、文書が失われている環境でも実態に基づくインベントリと依存関係を再構築できます。選択肢 D の AWS Migration Evaluator は、収集した使用状況データをもとに移行後の AWS 上での構成を推定し、オンプレミス継続との比較を含むコスト試算とビジネスケースを提示するサービスであり、「移行後のクラウドリソースコストを見積もる」という要件に直接応えます。選択肢 E の AWS Migration Hub は、ディスカバリー結果を集約してアプリケーション単位にグルーピングし、ウェーブ計画と移行状況の一元的な追跡を行うためのハブとして機能します。一方、選択肢 B の AWS Application Migration Service は、実際にサーバーをブロックレベルでレプリケーションしてカットオーバーする「実行」フェーズのツールであり、計画段階の現状把握やコスト見積もりには使えません。選択肢 C の AWS X-Ray は AWS 上で動作する分散アプリケーションのトレースを取得する可観測性サービスで、オンプレミス資産の棚卸しを目的としたものではありません。選択肢 F の Amazon Inspector は EC2、コンテナイメージ、Lambda の脆弱性を継続的に評価するセキュリティサービスであり、移行計画やコスト分析とは領域が異なります。