第 14 章 Azure リソースの監視と管理(10〜15%)

リソースの監視

この章で学ぶこと

  • Azure Monitor でメトリックを解釈する
  • Azure Monitor でログ設定を構成する
  • Azure Monitor でログのクエリと分析を行う
  • Azure Monitor でアラート ルール、アクション グループ、アラート処理ルールを設定する
  • Azure Monitor Insights を使用して仮想マシン、ストレージ アカウント、ネットワークの監視を構成して解釈する

この章に出てくる用語

Azure Monitor
Azure のリソースから「状態」と「出来事」を集めて、見る・調べる・通知する、までを一通り引き受ける監視基盤。 個別の監視ツールの集合ではなく、メトリック(数値)とログ(記録)という 2 つのデータの受け皿があり、その上にグラフ・クエリ・アラート・Insights が載っている、という構造になっている。Azure の外(オンプレミスや他社クラウド)からもデータを送れる。
Log Analytics ワークスペース
ログを実際にためておく入れ物。 Azure Monitor が集めたログはここに入り、保持期間と課金もこの単位で決まる。中身を検索・集計するための言語が KQL(Kusto クエリ言語)で、SQL に似た書き方でテーブルを絞り込んでいく。

Azure Monitor が扱うデータは 2 種類しかない。性格がはっきり違う。

図 14-1 メトリックとログの違い
図 14-1 メトリックとログの違い
メトリックログ
データの形数値の時系列構造化されたレコード
収集自動(構成不要)診断設定が必要
既定の保持93 日ワークスペースの設定による
分析方法メトリックエクスプローラーKQL(Kusto クエリ言語)
速さほぼリアルタイム取り込みに遅延がある

試験では

「ログが出ていない」と書かれていたら、まず診断設定の有無を疑う。リソースを作っただけではリソースログは一切残らない。メトリックは勝手に集まるので、この違いが設問の分かれ目になる。

種類何が記録されるか既定の保持
アクティビティログサブスクリプションへの操作(誰が何をしたか)90 日
リソースログリソース内部の動作診断設定を作らないと残らない
ゲスト OS ログVM の中のイベントログや syslogエージェント次第

試験では

アクティビティログは「リソースに対する操作」の記録であって、「リソースの中で起きたこと」ではない。「誰が VM を削除したか」→ アクティビティログ。「VM の中でアプリが落ちた」→ ゲスト OS ログ。

診断設定は、リソースのプラットフォームログとメトリックを外へ送る設定だ。送り先は 3 種類あり、目的で選ぶ。

図 14-2 診断設定の 3 つの送り先
図 14-2 診断設定の 3 つの送り先
送り先こう聞かれたら選ぶ
Log Analytics ワークスペースKQL で検索・分析したい
ストレージアカウント長期に安く保管したい(コンプライアンス要件など)
イベントハブ外部の SIEM やサードパーティへ流したい
# 診断設定を作る
az monitor diagnostic-settings create \
  --name diag1 --resource <リソースID> \
  --workspace <ワークスペースID> \
  --logs '[{"category":"AuditLogs","enabled":true}]'

アラートは 3 つの部品でできている。それぞれ別のリソースなので、「どれを作るべきか」が問われる。

図 14-3 アラートの 3 つの部品
図 14-3 アラートの 3 つの部品
部品役割
アラートルール監視対象と条件を定義する。重大度は Sev 0(最重大)〜 Sev 4
アクショングループ発報時の通知(メール、SMS、プッシュ)とアクション(Webhook、Logic App、Runbook、Function)をまとめる
アラート処理ルール既存のアラートの通知を抑制したり、別のアクショングループを追加したりする

試験では

計画メンテナンス中に通知を止めたい → アラート処理ルール。アラートルール自体を無効にしてしまうと、戻し忘れる危険があるうえ、その期間のアラート自体が記録されない。処理ルールなら通知だけを止められる。

補足

アクショングループはアラートルールとは別のリソースで、複数のアラートルールから使い回せる。「通知先を一か所で管理したい」という要件はこれで満たす。

アラートにはメトリックアラート(しきい値超過。反応が速い)とログアラート(KQL のクエリ結果が条件に一致)がある。

試験では

「VM が応答しなくなったら通知したい」→ Heartbeat テーブルをログアラートで監視する。メトリックアラートではない。Azure Monitor エージェントが 1 分ごとに送る生存信号が Heartbeat テーブルに記録されるので、それが途切れたことを検知する。

Insights は、よく使う監視を事前構成したダッシュボードとして提供する機能群だ。

  • VM Insights ―― CPU・メモリ・ディスク・ネットワークに加え、プロセス間の依存関係マップを可視化する。エージェントのインストールが必要
  • Storage Insights ―― ストレージアカウントの状態をダッシュボードで見る
  • Network Insights ―― ネットワークリソースの状態と接続性をまとめて見る

VM からログとメトリックを集める現行のエージェントは Azure Monitor エージェント(AMA)で、何を集めるかはデータ収集規則(DCR)で定義する。旧 Log Analytics エージェント(MMA)からの移行が進んでいる。

第 11 章で見た Network Watcher の道具のうち、この章の出題項目に明示されているのが接続モニターだ。

試験では

「一時的に確認したい」なら接続トラブルシューティング、「継続的に監視したい」なら接続モニター。問題文の時間軸で選び分ける。

名前が似ていて混同しやすいが、見ている対象が違う。

図 14-4 2 つの Health
図 14-4 2 つの Health

試験では

自分のリソースの状態は Resource Health、Azure 基盤側の問題は Service Health。「Azure 側の障害や計画メンテナンスを知りたい」→ Service Health アラートを作る。どちらも Azure Monitor の一部で、アクショングループに通知できる。

この章のまとめ

  1. 構成なしで自動収集されるのはどちらか
  2. 診断設定を作らないと集まらないのはどちらか
  3. メトリックの既定の保持期間
  4. アクティビティログの既定の保持期間
  5. アクティビティログに記録されるもの
  6. 診断設定の送り先 3 種類

この章の根拠

試験 AZ-104 の学習ガイド(Microsoft Learn)

最終確認 2026-10-04 / 対応バージョン DEA 2026-05-04 改訂版