第 0 部 第 6 章 読了目安 5 分
第 2 章で、サーバーは普通のコンピューターだと書きました。普通のコンピューターなので壊れます。壊れることを前提にしたまま、止めないための考え方を扱います。
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第 0 部の全 8 章はそのまま読めます。資格の話は出てきません。
この章で学ぶこと
この章に出てくる用語
第 2 章で、サーバーは普通のコンピューターだと書きました。普通のコンピューターなので壊れます。ディスクも壊れますし、電源が落ちることもあります。
ウェブサイトをサーバー 1 台で動かしているとしましょう。その 1 台が止まるとサイトは落ちます。止まる理由は故障だけではありません。OS の更新で再起動が要ることもあれば、ラックの電源が落ちることもあります。
このように、そこが止まると全体が止まる箇所を単一障害点と呼びます。可用性を考えるときは、まずこれを探すところから始めます。
探し方は「ここが止まったら?」
構成図の部品を 1 つずつ指さして「これが止まったら動くか」と聞いていくだけです。答えが「止まる」なら、そこが単一障害点です。サーバーだけでなく、回線・電源・データベース・DNS も同じように見ます。
確認 — 穴あけ 1 問
0 / 1
空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。
そこが止まると全体が止まってしまう箇所を と呼ぶ。
単一障害点を見つけたら、同じ役割のものを複数用意します。これを冗長化と呼びます。ただし、数を増やすだけでは足りません。
2 台にしても、同じラックに並べていたら、ラックの電源が落ちたときに両方止まります。第 3 章の表をもう一度見てください。「2 台ある」ことと「別々に壊れる」ことは別の話です。
| どこまで離すか | 耐えられること | 通信の速さ |
|---|---|---|
| 同じラックの中 | 1 台の故障 | いちばん速い |
| 同じ建物の別のラック | ラックごとの停電 | ほぼ変わらない |
| 別の建物(可用性ゾーン) | 建物ごとの障害 | わずかに遅い |
| 別の地域(リージョン) | 地域全体の災害 | はっきり遅い |
表 6-1 離すほど強くなり、そのぶん遅くなる(第 3 章の表の読み直し)
複数台用意しても、利用者がどれに行けばよいか分からなければ意味がありません。手前に振り分け役を置いて、生きている台にだけ通すようにします。止まった台を自動的に外す役目も、ここが持ちます。
SLA は「止まらない保証」ではない
提供元が示す 99.9% のような数字を SLA と呼びます。下回ったときに料金の一部が戻る、という約束です。止まらないことの保証ではありません。しかも多くの場合、1 台だけで動かしていると SLA の対象になりません。
確認 — 穴あけ 2 問
0 / 2
空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。
サーバーを 2 台にしても、同じ に並べていると両方同時に止まることがある。
SLA は、提供元が示す についての約束である。
冗長化は「壊れても使い続ける」ための工夫です。これとは別に、「壊れたあとで戻す」ための工夫が要ります。バックアップです。
この 2 つは目的が違います。冗長化していても、間違えてデータを消してしまったら、消えたものは全部の複製から消えます。複製は「同じ状態を保つ」ための仕組みなので、間違いも正確に写すからです。
| 冗長化 | バックアップ | |
|---|---|---|
| 目的 | 壊れても使い続ける | 壊れたあとで戻す |
| 守る相手 | 機器の故障・停電 | 誤操作・データの破損・ランサムウェア |
| 止まる時間 | ほぼゼロ | 戻す作業のぶんかかる |
| 古い状態に戻せるか | 戻せない | 戻せる |
表 6-2 別の目的を持つ 2 つの備え
いちばん多い失敗
取れていると思っていたら取れていなかった、戻そうとしたら戻し方が分からなかった。この 2 つです。どちらも、戻す練習を一度もしていないことが原因で起きます。
どこまで備えるかは、止まったときに何が困るかで決まります。社内の資料置き場と、決済を受け付けるサイトでは、かけるべき手間が違います。全部に最高の備えをすると費用が見合いません。
確認 — 穴あけ 1 問
0 / 1
空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。
誤ってデータを消してしまったとき、 では救えない。
この章のまとめ
この章で扱わなかったこと
可用性セットとゾーンの製品仕様 / SLA の具体的な数字 / 復旧手順の設定項目
これらは資格の範囲に入ってから扱います(可用性とバックアップの章)。
この章の根拠
最終確認 2026-10-04 / 対応バージョン DEA 2026-05-04 改訂版