第 0 部 第 5 章 読了目安 5 分

データはどんな形で置かれるか

データを置く場所には形が 3 つあります。どれを選ぶかで、できることと値段が変わります。

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第 0 部の全 8 章はそのまま読めます。資格の話は出てきません。

この章で学ぶこと

  • データの置き方に 3 つの形があることが分かる
  • それぞれが何に向いているか説明できる
  • オブジェクトストレージが安い理由が分かる
  • どれを選ぶかの判断軸を持てる

この章に出てくる用語

ブロックストレージ
コンピューターに直接つないで使う記憶装置のこと。手元の PC に入っているディスクと同じ扱いで、OS から見ると「空の装置」です。基本的に 1 台のコンピューターに 1 つずつ割り当てて使います。速いかわりに、複数台から同時に読み書きすることは想定されていません。
ファイルストレージ
フォルダーの階層があり、複数のコンピューターから同時に読み書きできる置き場のこと。社内の共有フォルダーと同じ使い勝手で、既存のソフトから見ると普通のドライブとして扱えます。
オブジェクトストレージ
フォルダーの階層を持たず、名前を付けてデータを放り込んでおく置き場のこと。置ける量にほぼ上限が無く、値段がいちばん安いかわりに、途中だけ書き換えるような使い方には向きません。
データベース
データを表の形で持ち、条件を指定して取り出せるようにした置き場のこと。「東京都の顧客だけ」のような絞り込みが速く、同時に書き換えても矛盾しないように守る仕組みを持っています。

5-1 ファイルとして置く

第 2 章で借りた仮想マシンには、OS を入れる場所が要ります。手元の PC にディスクが入っているのと同じで、コンピューターに直接つないで使う記憶装置が割り当てられます。これをブロックストレージと呼びます。

OS から見ると「空の装置」で、そこにファイルの仕組みを作って使います。速いかわりに、基本的に 1 台のコンピューターに 1 つずつ割り当てる前提です。複数台から同時に読み書きすることは想定されていません。

複数台から同時に使いたいとき

何台かのコンピューターから同じファイルを見たい、という場面があります。そのときはファイルストレージを使います。フォルダーの階層があり、社内の共有フォルダーと同じ使い勝手です。既存のソフトから見ると普通のドライブとして扱えるので、手を入れずに移せるのが利点です。

既存の仕組みを動かすならファイル

いま社内のファイルサーバーで動いているものをクラウドへ移す、という場面ではファイルストレージが素直です。ソフト側を書き換えずに済むからです。新しく作るなら、次に出てくる形のほうが安く済みます。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

仮想マシンに直接つないで OS を入れる記憶装置を と呼ぶ。

5-2 名前を付けて放り込む(オブジェクト)

写真やログや backup のように、置いたらあとは読むだけ、というデータがあります。こういうものにフォルダーの階層や同時書き換えの仕組みは要りません。要らないものを削ると、安くて壊れにくい置き場が作れます。

それがオブジェクトストレージです。フォルダーを持たず、名前を付けてデータを放り込みます。取り出すときも名前で指定します。

できること向かないこと
置ける量ほぼ上限なし—
値段3 つの中でいちばん安い—
書き換えまるごと置き直す途中だけ書き換える
同時に読む何台からでも—
使い方名前を指定して出し入れ普通のドライブとして開く

表 5-1 オブジェクトストレージの性格

「途中だけ書き換えられない」というのが最大の制約です。1 文字直したいときも、まるごと置き直すことになります。そのかわり、置いたものが壊れにくく、量を気にせず放り込めます。

ここが選択の分かれ目

試験では「どのストレージを選ぶか」が繰り返し問われます。判断はほぼこれで決まります。途中を書き換えるならブロックかファイル、置いて読むだけならオブジェクト。

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空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

オブジェクトストレージが向かないのは、データの という使い方である。

5-3 表として持つ(データベース)

3 つ目が、表の形で持つ置き場です。「東京都の顧客だけ」「今月の注文だけ」のように、条件を指定して取り出せます。

ファイルやオブジェクトでも同じことはできますが、全部を読んでから選り分けることになります。データが増えると現実的ではなくなります。データベースは、あらかじめ探しやすい形で持っておくことで、これを速く終わらせます。

もう 1 つの役割が、同時に書き換えても矛盾しないように守ることです。2 人が同じ残高を同時に書き換えたとき、片方の結果が消えてしまわないようにする、という仕事です。

向いていること例
ブロックOS を入れる。1 台が速く読み書きする仮想マシンのディスク
ファイル複数台から同じファイルを扱う社内の共有フォルダー
オブジェクト置いて読むだけ。大量・安く写真、ログ、バックアップ
データベース条件で絞る。同時書き換えを守る顧客情報、注文履歴

表 5-2 どれを選ぶか

全部を組み合わせて使う

どれか 1 つを選ぶ、という話ではありません。顧客情報はデータベース、添付された写真はオブジェクト、動かすプログラムは仮想マシンのブロックストレージ、という使い分けが普通です。

次の章では、ここまでに出てきたものが壊れたときにどうするかを扱います。コンピューターもディスクも壊れる、という前提から始めます。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

条件を指定して絞り込み、同時の書き換えを守るのが得意な置き場は である。

この章のまとめ

  1. ブロックは 1 台につなぐディスク。OS を入れる場所
  2. ファイルは複数台から同時に使える共有フォルダー
  3. オブジェクトは安く大量に置けるが、途中だけの書き換えができない
  4. データベースは条件で絞れて、同時の書き換えを守る
  5. どれか 1 つではなく、組み合わせて使う

この章で扱わなかったこと

ストレージ階層の最小保持期間 / IOPS やスループットの数字 / SQL の書き方

これらは資格の範囲に入ってから扱います(ストレージの章)。

この章の根拠

オブジェクトストレージとは(AWS)Azure Storage の概要(Microsoft Learn)

最終確認 2026-10-04 / 対応バージョン DEA 2026-05-04 改訂版