Snowflake

SnowPro Specialty: Gen AI

2026-03-26
更新: 2026-03-27
NicheeLab編集部

SnowPro Specialty: Generative AI(SGA-C01)は、2025年に新設されたSnowflake初のAI特化認定試験です。 Cortex AI、LLM Functions、Vector Search、RAGパターンなど、Snowflake上での生成AI活用スキルを証明します。 この記事では出題ドメインの詳細と各技術の対策ポイントを解説します。

試験概要とスペック

Gen AI Specialty試験はSnowflakeプラットフォーム上での生成AI・LLMの活用能力を認定するSpecialtyレベルの試験です。 Snowflakeが急速に拡充しているCortex AIエコシステムの知識が問われます。

項目詳細
試験コードSGA-C01
問題数65問(スコア対象60問+プリテスト5問)
試験時間115分
合格ライン750/1000点
受験料$275 USD
前提条件SnowPro Core認定(推奨、必須ではない)
試験形式選択式(単一選択・複数選択)
受験方法Kryterion テストセンター or オンライン監督

出題ドメインと配点比率

ドメイン配点比率主要トピック
Cortex AI Foundations25%Cortex LLM Functions、モデル選択、プロンプトエンジニアリング
Vector Search & Embeddings20%Cortex Search、Embedding関数、類似度検索
RAG Architecture20%RAGパイプライン設計、チャンク戦略、コンテキスト管理
Cortex Analyst & Applications20%自然言語→SQL、Streamlit in Snowflake、アプリ構築
Governance & Security for AI15%AI利用のガバナンス、データプライバシー、モデル監査

Cortex LLM Functions の詳細

Cortex LLM Functionsは、Snowflake内でLLMを直接呼び出すSQL関数群です。 外部APIキーや追加インフラが不要で、Snowflakeのガバナンス下でLLMを利用できる点が最大の特徴です。

SNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETE

最も基本的なLLM呼び出し関数です。モデル名とプロンプトを引数に取り、テキスト生成結果を返します。

-- Cortex COMPLETEの基本呼び出し
SELECT SNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETE(
  'mistral-large2',
  'Snowflakeのマイクロパーティションの利点を3つ挙げてください'
) AS llm_response;

-- テーブルデータに対してバッチ処理
SELECT
  product_name,
  SNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETE(
    'mistral-large2',
    CONCAT('以下の商品レビューを要約してください: ', review_text)
  ) AS review_summary
FROM product_reviews
LIMIT 100;

特化型関数(SUMMARIZE / SENTIMENT / TRANSLATE)

COMPLETE以外に、特定タスクに最適化された関数が用意されています。試験ではCOMPLETEとの使い分け判断が問われます。

  • SNOWFLAKE.CORTEX.SUMMARIZE:長文テキストの要約。レビューや議事録の自動要約に最適
  • SNOWFLAKE.CORTEX.SENTIMENT:テキストの感情分析。-1(ネガティブ)〜+1(ポジティブ)のスコアを返す
  • SNOWFLAKE.CORTEX.TRANSLATE:多言語翻訳。ソース言語の自動検出にも対応
  • SNOWFLAKE.CORTEX.EXTRACT_ANSWER:テキストから特定の質問への回答を抽出

Cortex Searchは、テキストデータに対するセマンティック検索(意味検索)をSnowflake内で実現する機能です。 従来のキーワード検索(LIKE / CONTAINS)では捉えられない意味的な類似性を発見できます。

SNOWFLAKE.CORTEX.EMBED_TEXT_768

テキストをベクトル(768次元の数値配列)に変換する関数です。このベクトルをVECTOR型の列に格納し、コサイン類似度で検索します。

-- テキストのベクトル化と格納
CREATE TABLE knowledge_base (
  doc_id INT,
  content VARCHAR,
  content_vector VECTOR(FLOAT, 768)
);

INSERT INTO knowledge_base
SELECT
  doc_id,
  content,
  SNOWFLAKE.CORTEX.EMBED_TEXT_768('e5-base-v2', content) AS content_vector
FROM raw_documents;
-- コサイン類似度によるセマンティック検索
SELECT
  doc_id,
  content,
  VECTOR_COSINE_SIMILARITY(
    content_vector,
    SNOWFLAKE.CORTEX.EMBED_TEXT_768('e5-base-v2', 'Snowflakeの料金体系')
  ) AS similarity_score
FROM knowledge_base
ORDER BY similarity_score DESC
LIMIT 5;

RAGパターンの設計と実装

RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、LLMにドメイン固有の知識を与えるアーキテクチャパターンです。 Gen AI試験では、Snowflake上でのRAG実装が重点的に出題されます。

RAGパイプラインの構成要素

  1. ドキュメントの取り込み:ステージからファイルをロード、またはテーブルからテキストを抽出
  2. チャンキング:テキストを適切な長さに分割。トークン制限とコンテキスト品質のバランスが重要
  3. ベクトル化:EMBED_TEXT_768でチャンクをベクトルに変換し、VECTOR型カラムに格納
  4. 検索(Retrieval):ユーザーのクエリをベクトル化し、コサイン類似度で上位K件を取得
  5. 生成(Generation):取得したコンテキストをプロンプトに挿入し、COMPLETEで回答を生成

Cortex Search Serviceの活用

Cortex Search Serviceを使うと、手動でEmbedding→Vector格納→類似度検索のパイプラインを構築する代わりに、 マネージドなセマンティック検索エンドポイントが提供されます。インデックスの自動更新やハイブリッド検索(キーワード+セマンティック)にも対応します。

-- Cortex Search Serviceの作成
CREATE CORTEX SEARCH SERVICE product_search
  ON content
  WAREHOUSE = compute_wh
  TARGET_LAG = '1 hour'
  AS (
    SELECT product_id, content, category
    FROM product_docs
  );

Cortex Analyst(自然言語→SQL)

Cortex Analystは、自然言語の質問をSQLに変換し、Snowflakeデータに対して回答を生成する機能です。 試験ではSemantic Modelの定義方法と、Cortex Analystの制約(DDLは生成しない等)が問われます。

  • Semantic Model(YAML定義):テーブル・列・メトリクス・ディメンションの意味を記述
  • Verified Queries:Cortex Analystが生成したSQLの精度を検証・フィードバックする仕組み
  • Streamlit in Snowflakeとの統合:チャットUIからCortex Analystを呼び出すアプリの構築

Streamlit in Snowflakeでのアプリ構築

Streamlit in Snowflake(SiS)は、Snowflake内でPython Streamlitアプリを実行する機能です。 Gen AI試験では、SiSを使ったチャットボットやRAGアプリの構築パターンが出題されます。

  • st.chat_input / st.chat_messageでチャットUIを構築
  • Snowpark sessionを通じてCortex LLM Functionsを呼び出す
  • アプリのアクセス制御:RBACによるロールベースの公開範囲設定
  • SiSの制約:外部ネットワークアクセスにはExternal Access Integrationが必要

AI利用のガバナンス

生成AIの業務活用にはガバナンスが不可欠です。試験ではSnowflake固有のAIガバナンス機能が問われます。

  • Trust Center:Cortex AIのデータ処理ポリシーとプライバシー保証の確認
  • リージョン制約:Cortex LLMモデルは特定リージョンでのみ利用可能。クロスリージョン呼び出しの制約
  • トークンコスト管理:Cortex LLM Functionsの利用量はクレジットベースで課金。Resource Monitorで上限設定
  • 監査ログ:Cortex関数の呼び出し履歴はQUERY_HISTORYビューで追跡可能

合格に向けた学習戦略

  • Snowflake無料トライアルでCortex LLM Functionsを実際に呼び出し、レスポンスを確認
  • Cortex Search Serviceのドキュメントを通読し、CREATE CORTEX SEARCH SERVICEの構文を暗記
  • RAGパターンをStreamlit in Snowflakeで実装するハンズオンを実施
  • Embeddingモデル(e5-base-v2等)の特徴と選択基準を整理
  • Snowflake公式のGen AI Study Guideに記載されたすべてのドキュメントリンクを通読

問題で確認

SnowPro Specialty: Gen AI

問題 1

Snowflake上でRAG(Retrieval-Augmented Generation)パイプラインを構築する際、ドキュメントのベクトル化に使用する関数として最も適切なものはどれですか?

  1. SNOWFLAKE.CORTEX.EMBED_TEXT_768
  2. SNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETE
  3. SNOWFLAKE.CORTEX.SUMMARIZE
  4. SNOWFLAKE.CORTEX.TRANSLATE

正解: A

EMBED_TEXT_768はテキストを768次元のベクトルに変換する関数で、RAGパイプラインの検索(Retrieval)フェーズに必要です。COMPLETEはテキスト生成、SUMMARIZEは要約、TRANSLATEは翻訳の関数であり、ベクトル化には使用しません。

よくある質問

SnowPro Specialty Gen AI試験にPythonのコーディング問題はありますか?

コードを直接記述する問題はありませんが、Snowpark PythonやStreamlitのコードスニペットを読んで正しい動作を選ぶ問題は出題されます。特にSnowpark ML(snowflake.ml)のAPIやCortex LLM Functionsの呼び出し構文を理解しておく必要があります。

Cortex AIの機能はどのEditionで利用できますか?

Cortex LLM Functions(COMPLETE / SUMMARIZE / TRANSLATE等)はEnterprise Edition以上で利用可能です。Cortex Search(ベクトル検索)とCortex Analyst(自然言語→SQL)も同様にEnterprise以上が必要です。試験ではEdition要件を問う問題が出るため、Standard Editionとの機能差を整理しておきましょう。

RAGパターンの出題はどの程度の深さですか?

Retrieval-Augmented Generation(RAG)の概念理解に加え、Snowflake上での実装パターンが問われます。具体的には、Cortex Searchでベクトル検索を行い、取得したコンテキストをCortex COMPLETE関数のプロンプトに埋め込む流れです。Embeddingモデルの選択(e5-base-v2等)やチャンクサイズの影響も出題範囲です。

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この記事の著者

NicheeLab編集部

データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。


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