SnowPro Specialty試験は、Snowflakeの各専門領域における深い知識と実務スキルを証明する上位資格です。Core試験が概念的な知識を広く問うのに対し、Specialty試験ではSnowpark DataFrame APIのコード読解、Native Appsの権限モデル設計、Cortex LLM Functionsの使い分けなど、実務に直結する応用力が求められます。
この記事では、2026年のSpecialty試験で特に出題比率が高い3分野——Snowpark・Native Apps・Gen AI/Cortex——から厳選した練習問題を掲載します。各問題の解説では「なぜその選択肢が正解/不正解なのか」の技術的根拠を詳しく説明しています。
SnowPro Specialty試験は65問・115分で実施されます。Core試験(100問・115分)と比べて1問あたりの回答時間は長い(約106秒)ですが、コードスニペットの読解やアーキテクチャ設計判断を含む応用問題が多いため、時間に余裕があるとは限りません。
2026年の試験改訂で出題比率が増加した分野を以下にまとめます。
| 分野 | 主な出題トピック | 出題傾向 |
|---|---|---|
| Snowpark | DataFrame API・UDF/UDTF・Stored Procedure・ML統合 | Pythonコードの読解問題が増加 |
| Native Apps | Application Package・manifest.yml・REFERENCE_USAGE・配布方式 | セキュリティ・権限モデルが頻出 |
| Gen AI / Cortex | COMPLETE・TRANSLATE・FORECAST・ANOMALY_DETECTION・Cortex Search | SQL統合と関数の使い分けが出題 |
| Snowpipe Streaming | Ingest SDK・Kafka Connector・レイテンシ比較 | Classic Snowpipeとの違いが頻出 |
| Dynamic Table | target_lag・宣言的ETL・Streams+Tasks代替 | パイプライン設計で出題増加 |
Snowpark PythonのDataFrame APIは遅延評価(Lazy Evaluation)を採用しており、collect()やshow()などのアクション呼び出しまでクエリは実行されません。以下の問題で、DataFrameの動作と型の理解を確認しましょう。
Snowpark - DataFrame API
問題 1
Snowpark PythonのDataFrame APIにおいて、以下のコードの実行結果として正しいものはどれですか? df = session.table('orders') df2 = df.filter(col('status') == 'completed') df3 = df2.select('order_id', 'amount') print(type(df3))
正解: B
Snowpark PythonのDataFrame APIは遅延評価(Lazy Evaluation)を採用しています。session.table()・filter()・select()はすべてトランスフォーメーション(変換操作)であり、呼び出し時点ではSQLの論理実行プランが構築されるだけで、Snowflakeへのクエリ送信は行われません。df3の型はsnowflake.snowpark.DataFrame型であり、pandasのDataFrameとは異なるSnowpark独自のオブジェクトです。実際にクエリを実行して結果を取得するにはcollect()(Rowのリストを返す)やshow()(結果を標準出力に表示)、to_pandas()(pandas DataFrameに変換)などのアクションメソッドを呼び出す必要があります。この遅延評価モデルの理解はSnowpark試験の根幹です。
Snowflake Native App Frameworkでは、アプリケーションは最小権限の原則に基づいて動作します。インストール後のConsumerデータへのアクセスは、Consumer側の明示的な権限付与なしには実現できません。以下の問題で、この権限モデルを確認しましょう。
Native Apps - セキュリティモデル
問題 2
Snowflake Native Appがインストール後にConsumerのデータにアクセスするために必要な手順はどれですか?
正解: C
Native Appsは最小権限の原則に基づき、デフォルトではConsumerのデータにアクセスする権限を持ちません。ConsumerがGRANT文でアプリケーションに対して特定のデータベース・スキーマへのUSAGEやREFERENCE_USAGE(参照権限)を明示的に許可して初めて、アプリケーションからConsumerのデータへのアクセスが可能になります。manifest.ymlにはアプリケーションが必要とする権限(references)を宣言しますが、実際の権限付与はConsumer側の操作です。Providerがテーブル名をハードコード(A)しても権限がなければSQLエラーになります。全データベースの自動アクセス(B)はセキュリティモデル上あり得ません。Native AppはConsumerのデータにもアクセスできるよう設計されているため(D)も誤りです。
Snowflake Cortex LLM Functionsは、SQLから直接LLM(大規模言語モデル)を呼び出してテキスト生成・翻訳・要約を実行できる機能です。Stored Procedureを書かずにSELECT文でAI機能を利用できることが最大の特徴です。
Cortex - LLM Functions
問題 3
Snowflake Cortex LLM FunctionsのCOMPLETE関数について、正しい説明はどれですか?
正解: B
Snowflake Cortex LLM FunctionsのCOMPLETE関数は、SQLのSELECT文から直接呼び出してテキスト生成を実行できます。使用するLLMモデル(例:'snowflake-arctic'、'mistral-large'、'llama3.1-70b'など)と入力プロンプトを指定して呼び出します。例えば SELECT SNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETE('mistral-large', 'Snowflakeとは?') のようにSQLで直接実行できます。テーブルの各行に対してバッチ的にテキスト生成を実行することも可能です。Stored Procedure限定(A)ではなく、出力は文字列型(VARCHAR)でJSON形式ではありません(C)。Enterprise Edition以上で利用可能であり、Business Critical限定(D)ではありません。
| 試験名 | 試験コード | 問題数 | 時間 | 受験料 | 前提条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| Advanced: Data Engineer | DEA-C01 | 65問 | 115分 | $225 | Core合格(有効期限内) |
| Advanced: Architect | ARA-C01 | 65問 | 115分 | $225 | Core合格(有効期限内) |
| Advanced: Data Scientist | DSA-C01 | 65問 | 115分 | $225 | Core合格(有効期限内) |
| Advanced: Data Analyst | DAN-C01 | 65問 | 115分 | $225 | Core合格(有効期限内) |
| Advanced: Security Engineer | SEA-C01 | 65問 | 115分 | $225 | Core合格(有効期限内) |
| Advanced: Gen AI | GEN-C01 | 65問 | 115分 | $225 | Core合格(有効期限内) |
全Specialty試験は同一の問題数(65問)・時間(115分)・受験料($225)・前提条件(Core合格)です。試験間の難易度差はドメイン内容と出題傾向に起因します。
Specialty試験はシナリオベースの問題が多く、ドキュメントの通読だけでは解けない応用問題が出題されます。Snowflakeの30日間無料トライアルでSnowpark Python・Native Apps・Cortex関数を実際に実行し、挙動を体で覚えることが最も効果的な学習方法です。特にSnowpark DataFrameのlazy evaluationの動作確認、Cortex COMPLETE関数のSQL実行、Dynamic Tableのtarget_lag設定は、手を動かして初めて理解が深まります。
Specialty試験ではPythonやSQLのコードスニペットが問題文中に含まれ、コードの動作を正確に読み解く力が問われます。Snowpark APIの構文(session.table / filter / select / group_by / join / collect)や、@udf/@sprocデコレータのパラメータ(is_permanent / stage_location / execute_as / packages)を暗記するのではなく、実際にコードを書いて動作を確認しておきましょう。
Native Apps Framework・Cortex LLM Functions・Snowpipe Streaming・Dynamic Table・Snowpark Container Servicesなど、比較的新しい機能の出題比率は年々増加しています。Snowflake公式の「What's New」ページとリリースノートを定期的に確認し、GA(General Availability)になった機能を優先的に学習してください。Preview段階の機能は出題対象外です。
Classic SnowpipeはクラウドストレージのファイルイベントでCOPY INTOを自動実行する方式で、レイテンシは分単位です。一方、Snowpipe StreamingはJava Ingest SDKを使用して行レベルのデータを直接テーブルに書き込む方式で、レイテンシは秒単位です。Kafka Connector for SnowflakeもSnowpipe Streamingモードをサポートしています。この2つの方式の違い——ファイルベース vs 行レベル、レイテンシ、コストモデル——は確実に出題されます。
Specialty試験を受験するにはCoreの合格が必要ですか?
はい、すべてのSnowPro Specialty試験はSnowPro Core(COF-C03)の有効な合格が前提条件です。Core資格の有効期限は取得日から2年間で、期限内にSpecialty試験に合格する必要があります。Specialty試験は65問・115分・受験料$225で、Core試験(100問・115分・$175)より問題数は少ないですが、各専門領域の深い実務知識を問うため難易度は高くなります。2026年時点でSpecialty試験はData Engineer・Architect・Data Scientist・Data Analyst・Security Engineer・Gen AIの6種類が提供されています。
Snowpark Specialty試験ではどのプログラミング言語が問われますか?
Snowpark Specialty試験では主にPythonが出題の中心です。DataFrame APIの操作、UDF/UDTFの作成、Stored Procedureの実装がPythonコードのスニペットとして出題されます。JavaとScalaもSnowparkでサポートされていますが、試験ではPythonの比率が最も高いです。特にsession.table()・filter()・select()・group_by()などのDataFrame操作、@udfデコレータによるUDF登録、@sprocデコレータによるStored Procedure作成の構文は必ず覚えておきましょう。
Native AppsとGen AIの出題比率は増加していますか?
はい、2026年の試験改訂でNative Apps FrameworkとCortex AI(Gen AI)関連の出題比率は明確に増加しています。Native Appsでは、Application Packageの構成(manifest.yml / setup.sql / Named Stage)、プロバイダー・コンシューマーモデル、REFERENCE_USAGE権限の仕組みが頻出です。Gen AI分野では、Cortex LLM Functions(COMPLETE / TRANSLATE / SUMMARIZE)、Cortex ML Functions(FORECAST / ANOMALY_DETECTION)、Cortex Searchのセマンティック検索がよく出題されます。公式のExam Guideで最新の出題ドメイン比率を確認してから学習計画を立ててください。
NicheeLab編集部
データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。
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