AZ-104 (Azure Administrator Associate) と AZ-204 (Azure Developer Associate) は、Azure の Associate 認定の双璧として長らく君臨してきた 2 試験です。 どちらも 165 USD・100-120 分・40-60 問・700 点合格という共通スペックを持ちながら、対象ロールと出題内容は明確に異なります。 本記事では両者を多角的に比較し、『どちらを取るべきか』『両方取る価値はあるか』を判断する材料を提供します。 加えて、AZ-204 の 2026 年 7 月 31 日リタイアを踏まえた最新の選択肢も整理します。
| 項目 | AZ-104 (Administrator) | AZ-204 (Developer) |
|---|---|---|
| 正式名称 | Azure Administrator Associate | Azure Developer Associate |
| 対象ロール | クラウド運用管理者 / インフラエンジニア | クラウドアプリ開発者 / バックエンドエンジニア |
| 受験料 | 165 USD / 21,103 円 | 165 USD / 21,103 円 |
| 試験時間 | 100 分 | 120 分 |
| 合格点 | 700 / 1000 | 700 / 1000 |
| 問題数 | 40-60 問 | 40-60 問 |
| 有効期限 | 12 ヶ月 (renewal で更新可) | 12 ヶ月 (renewal で更新可) |
| ドメイン数 | 5 ドメイン | 5 ドメイン |
| 主出題対象 | VM / VNet / Storage / Backup / Monitor | App Service / Functions / Cosmos DB / Service Bus / API Management |
| 必須スキル | Azure ポータル / CLI / PowerShell / Bicep / 基礎 KQL | C# / Python / JS のいずれか + Azure SDK / OAuth 2.0 |
| 学習時間 (経験者) | 60-150 時間 | 100-250 時間 |
| 状態 | 現役 (2026 年改訂) | 2026 年 7 月 31 日リタイア、後継未発表 |
| 次の認定 | AZ-305 / AZ-400 / AZ-700 / SC-500 | AZ-400 / AI-103 / AZ-305 |
AZ-104 と AZ-204 を区別する最大のポイントは『誰のための試験か』です。AZ-104 は『Azure 環境を運用管理する人』を対象とし、Azure ポータル・Azure CLI・PowerShell・Bicep を使って VM・VNet・Storage・Backup・Monitor を構成・運用するスキルを問います。AZ-204 は『Azure 上でアプリケーションを開発する人』を対象とし、C# / Python / JavaScript / Java のコードから App Service・Functions・Cosmos DB SDK・Service Bus・API Management・Event Grid を操作するスキルを問います。
この違いは出題形式に直接表れます。AZ-104 では『Azure ポータルでこの設定をどうするか』『この CLI コマンドのオプションはどれか』といった操作中心の問題が多いのに対し、AZ-204 では『この C# / Python コードの戻り値はどれか』『Cosmos DB SDK のクエリ結果を最適化するには』といったコード読解中心の問題が多数を占めます。
両者の出題範囲は概ね 30-40% 重複します。 共通領域は ID 関連 (Entra ID 認証・Managed Identity・OAuth 2.0)、Storage SDK / Blob 操作、ネットワーク基礎 (VNet・NSG・Private Endpoint)、モニタリング (Azure Monitor・Application Insights)、IaC (ARM・Bicep)。 これらは AZ-104 を学習した後に AZ-204 を受験する場合、ほぼ無追加学習で対応可能です。
独自領域は明確に分かれます。AZ-104 独自: VMSS スケーリング・Azure Backup / Site Recovery・Azure Files (SMB/NFS)・Storage アカウントレプリケーション (LRS/GRS 等)・VPN Gateway / ExpressRoute・Application Gateway / Load Balancer・KQL 基礎・Azure Policy / RBAC / Resource Lock。AZ-204 独自: App Service Deployment Slot・Functions Trigger 全種類 (Timer/Blob/Queue/HTTP/Event Hub/Service Bus/Cosmos DB)・Cosmos DB SDK のパーティション設計とクエリ最適化・Service Bus FIFO / セッション / トランザクション・API Management のポリシー・Event Grid Schema / Webhook 配信・Container Apps スケーリングルール・OpenAPI / Swagger 仕様の理解。
学習時間はAZ-204 のほうが長くなる傾向です。 AZ-104 は IT 経験 1-3 年で 100-150 時間、別クラウド経験ありで 60-100 時間、IT 一般経験あり Azure 未経験で 150-200 時間。 AZ-204 はアプリ開発経験 3 年以上で 100-150 時間、Azure 経験あり開発経験浅めで 150-250 時間、未経験者で 300 時間以上というのが日本人体験記の平均レンジです。
AZ-204 の学習時間が長くなる理由は、コーディング能力が前提になっているため。プログラミング基礎ができていない受験者には、Python / C# / JavaScript いずれかの言語学習を 50-100 時間前置きする必要があります。 逆に既に開発経験のあるエンジニアにとって、AZ-104 のインフラ操作 (VM サイジング・ストレージレプリケーション選定・VPN 構成など) は経験が乏しいため、AZ-204 より AZ-104 のほうが学習時間が長くなるケースもあります。
Microsoft は 2026 年 1 月に AZ-204 の 2026 年 7 月 31 日リタイアを発表しました。 後継試験は本記事公開時点で未発表で、Microsoft Learn 上にも明確な後継ロードマップが示されていません。 この発表により、AZ-204 を新規受験するかどうかは戦略的判断が必要な状況になっています。
現実的な選択肢は 3 つあります。
AZ-204 のリタイア発表後、Microsoft が同じ『Azure Developer Associate』ポジションの後継認定をリリースする保証はなく、開発者ロールが AI-103 (AI 開発) や AZ-400 (DevOps Expert) に分散する可能性も指摘されています。 詳細は AZ-204 完全ガイド を参照してください。
本記事の推奨は以下の通りです。
両方取得する場合は AZ-104 → AZ-204 の順番が定石です。 AZ-104 で学ぶ Entra ID / Storage / VNet / Monitor の基礎知識が AZ-204 でそのまま活きるため、AZ-204 単独受験よりも学習時間を 30-50 時間程度短縮できます。 逆順 (AZ-204 → AZ-104) は、AZ-204 で扱わない VM / VPN / Backup / Site Recovery などのインフラ運用領域が AZ-104 で大量に追加されるため、効率が悪くなります。 両方取得の合計学習時間は経験者で 200-300 時間、未経験者で 400 時間以上を見込んでください。
AZ-104 と AZ-204 の合格後は、複数の進路が開けます。Solutions Architect Expert: AZ-305 で設計判断中心の Expert ティア。AZ-104 取得者は AZ-305 への前提条件を満たします (AZ-104 + AZ-305 の 2 試験で Expert 取得)。DevOps Engineer Expert: AZ-400 で CI/CD・IaC・GitOps・SRE プラクティス。AZ-104 または AZ-204 のいずれかが前提条件 (AZ-104 + AZ-400 または AZ-204 + AZ-400 で Expert 取得)。Network Engineer Associate: AZ-700 でネットワーク専門深化。Security 系: SC-300 (Identity Admin)・SC-200 (SOC Analyst)・SC-500 (旧 AZ-500、2026-09 GA 予定)。AI / Data 系: AI-103 (2026-06 GA)・DP-700・DP-300。
AZ-104 と AZ-204 の最大の違いは何ですか?
対象ロールが異なります。AZ-104 (Azure Administrator) は『Azure 環境を運用管理する人』向け — VM・VNet・Storage・Backup などのインフラリソースを Azure ポータル / Azure CLI / PowerShell / Bicep で操作する管理者ロール。AZ-204 (Azure Developer) は『Azure 上でアプリケーションを開発する人』向け — App Service・Functions・Cosmos DB SDK・Service Bus などをコード (C# / Python / JavaScript / Java) から呼び出す開発者ロール。AZ-104 はインフラ寄り、AZ-204 はアプリ寄りで、出題形式も AZ-104 はポータル操作 / 設定値選択、AZ-204 はコードスニペット読解中心という大きな違いがあります。
どちらを先に取るべきですか?
経験背景で分かれます。インフラエンジニア / SRE / 運用担当なら AZ-104 が先。アプリ開発者 / バックエンドエンジニアなら本来は AZ-204 が先でしたが、AZ-204 は 2026 年 7 月 31 日にリタイア予定で後継試験未発表のため、新規受験は慎重に。クラウドが初めての SE / 新人なら AZ-104 が学習コンテンツが豊富で実機演習も汎用性が高く、まず AZ-104 で Azure の全体像を掴むのが安全な選択。両方取りたい場合は AZ-104 → AZ-204 の順番で、AZ-104 で学ぶ ID / Storage / Network の基礎が AZ-204 でそのまま活きます。
AZ-204 のリタイアで AZ-104 の価値は変わりましたか?
AZ-104 の市場価値はむしろ相対的に高まっています。AZ-204 がリタイアして Azure 開発者向け Associate が空白期に入る中、AZ-104 は引き続き Azure 系 Associate の事実上の必修認定として残ります。Azure Architect (AZ-305)・DevOps (AZ-400)・Network (AZ-700)・Security (SC-500) など Expert / 専門 Associate への進路すべての土台になる位置付けは変わらず、求人票でも『AZ-104 必須』『AZ-104 推奨』の表記は AZ-204 より圧倒的に多いのが現状。AZ-204 のリタイアは結果的に『開発者は AZ-104 を先に取って AI-103 や AZ-400 へ進むルート』を主流化させる効果があります。
学習時間はどちらが長くかかりますか?
経験背景に依存しますが、一般的には AZ-204 のほうが学習時間が長くなる傾向。AZ-104 は IT 経験 1-3 年で 100-150 時間、別クラウド経験あり 60-100 時間、IT 一般経験あり Azure 未経験で 150-200 時間。AZ-204 は アプリ開発経験 3 年以上で 100-150 時間、Azure 経験あり開発経験浅めで 150-250 時間、未経験者で 300 時間以上。AZ-204 はコードを書ける必要があるため、プログラミング基礎ができていない受験者には学習時間が大きく伸びる傾向です。両方取得なら合計 200-400 時間程度を見込むのが現実的。
出題範囲の重複はどれくらいありますか?
重複は約 30-40% 程度。共通領域は ID 関連 (Entra ID 認証・Managed Identity・OAuth 2.0)、Storage SDK / Blob 操作、ネットワーク基礎 (VNet・NSG・Private Endpoint)、モニタリング (Azure Monitor・Application Insights)、IaC (ARM・Bicep)。これらは AZ-104 で学んだ知識がそのまま AZ-204 でも活用できる領域です。一方で完全に重複しない領域は、AZ-104: VMSS / Backup / Site Recovery / Azure File / Storage アカウント詳細設定・VPN / ExpressRoute / Application Gateway / Load Balancer。AZ-204: コード中心の App Service Deployment Slot / Functions Trigger 種類 / Cosmos DB SDK パターン / Service Bus メッセージング / API Management / Event Grid / Container Apps スケーリング設定。
両方取る価値はありますか?
DevOps / フルスタックエンジニア・SRE を目指すなら高い価値があります。インフラと開発の両言語を話せる人材は転職市場で常に不足しており、特に AZ-104 + AZ-204 + AZ-400 (DevOps Engineer Expert) の 3 本セットは年収 800-1,200 万円帯の DevOps エンジニア求人で強い武器に。一方で純粋なインフラ運用 / 純粋なアプリ開発でキャリアを進める場合、AZ-204 のリタイア後は AZ-104 単独 + AZ-305 (Architect) または AZ-104 + 言語固有スキル + AI-103 (2026-06 GA) などへの分岐が現実的です。AZ-204 駆け込み受験は 2026-07 までの判断で、ROI を意識して決めるのが安全。
受験料はどちらも同じですか?
はい、どちらも Associate ティアで 165 USD / 21,103 円(税込)、12 ヶ月有効、Pearson VUE 経由のクレジットカード払いが標準です。Virtual Training Day の直接バウチャー特典はどちらにもありませんが、AZ-104 は学習者人口が多いため Microsoft Reactor のハンズオンイベント・Cloud Skills Challenge での無料バウチャーキャンペーン頻度が AZ-204 より高い傾向。AZ-204 はリタイア発表後の 2026 年現在、無料 / 割引バウチャーキャンペーンが縮小傾向です。
両方取得した場合の合格後の進路は?
DevOps エンジニア (AZ-400) または Solutions Architect (AZ-305) が定番。AZ-104 + AZ-204 + AZ-400 = フルサイクル DevOps、AZ-104 + AZ-305 = Azure Architect、AZ-104 + AZ-204 + AI-103 (2026-06 GA) = AI 開発者 + Azure 運用知識保有者という強い組み合わせ。セキュリティ寄りなら AZ-104 + SC-300 + SC-500 (2026-09 GA)、データ寄りなら AZ-104 + DP-300 / DP-700。AZ-204 取得者は 2026-07 リタイア後も認定保有期間中 (12 ヶ月) は履歴書に書けるため、駆け込み受験で取得しておく価値はあります。
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本記事の試験情報は Microsoft Learn 公式 AZ-104 ページ および公式 AZ-204 ページ に基づいています。 本記事は Microsoft Corporation の公式商品ではなく、いかなる提携・後援関係もありません。 Microsoft、Azure、Microsoft Entra は Microsoft group of companies の商標です。 情報は 2026 年 5 月 24 日時点の公式公開資料に基づきます。最新情報は必ず公式ページをご確認ください。
NicheeLab編集部
データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。
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