Microsoft Azure 認定資格の Fundamentals 階層には現在 5 つの試験があります。AZ-900 (クラウド全般)、DP-900 (データ)、SC-900 (セキュリティ)、MS-900 (Microsoft 365)、そして AI-901 (AI、2026 年 6 月 GA・AI-900 後継)。 どれも 99 USD・45 分・40-60 問・700/1000 点合格・無期限有効という同じスペックですが、出題範囲はまったく異なり、対象とする役職や学習効率も大きく違います。 本記事では、5 試験を 6 つの軸で完全比較し、自分のキャリアに合う 1-3 本を迷わず選べる状態を目指します。
Microsoft 認定の Fundamentals 階層は、AWS の Cloud Practitioner や Google Cloud の CDL と同じ「入門カテゴリ」ですが、Microsoft はこのカテゴリを 5 試験に細分化している点が他クラウドと大きく異なる戦略です。 Azure・Microsoft 365・Power Platform・Dynamics 365 という巨大なエコシステムをカバーするための設計で、それぞれの試験が独立した価値を持つように作られています。
| 試験 | 領域 | 対象職種 | 難易度 | 学習時間 (未経験) |
|---|---|---|---|---|
| AZ-900 | Azure 全般 | SE / クラウドエンジニア / IT 営業 | ★★☆☆☆ | 25-40 時間 |
| DP-900 | データ / 分析 | データエンジニア / アナリスト / DBA | ★★★☆☆ | 30-50 時間 |
| SC-900 | セキュリティ / ID | 情シス / SOC / セキュリティ営業 | ★★★☆☆ | 25-40 時間 |
| MS-900 | Microsoft 365 | M365 営業 / コンサル / 購買 | ★★☆☆☆ | 20-30 時間 |
| AI-901 | AI / Foundry | AI エンジニア / 開発者 | ★★★★☆ | 40-60 時間 |
最も重要な選定軸は自分の役割です。役割が決まっていない学生・転職者は AZ-900 から始めるのが最も汎用的ですが、業務がはっきりしている社会人は自分の領域の Fundamentals から入る方が学習効率が高いです。
クラウドエンジニア・SE 全般: AZ-900 一択。Azure の階層構造・主要サービス・ガバナンスを横断的に学べ、Associate (AZ-104) への土台となる。Microsoft 認定で最も汎用性が高い 1 本です。
データエンジニア・データアナリスト: DP-900 から。SQL / NoSQL / 分析プラットフォーム (Synapse・Fabric・Databricks) の地図が頭に入り、DP-203 / DP-700 / DP-300 への発展が自然。AZ-900 を取らずに DP-900 から直接入るパターンも実務経験者には現実的。
情シス担当・SOC アナリスト: SC-900 一択。Zero Trust・Entra ID・Microsoft Defender スイート・Purview の全体像を一気に学べ、SC-200 / SC-300 / SC-500 / SC-100 への展開がスムーズ。すでに別の SIEM や AD の経験がある人には特に効率的です。
Microsoft 365 営業・コンサルタント: MS-900 が最適。Teams・Exchange・SharePoint・Intune・Copilot のビジネス価値とライセンス SKU が中心で、顧客提案・契約交渉に直結します。Microsoft パートナー認定の前提としても標準的に組み込まれています。
AI エンジニア・データサイエンティスト: AI-901。ただし他の 4 試験と異なり Python 必須化が大きな違い。pip install と基本構文ができることが前提で、ビジネス職には敷居が上がっています。AI-900 (2026 年 6 月 30 日退役) の後継として、技術職寄りの設計です。
日本人体験記を横断すると、難易度ランキングは概ね以下の順です。1 位 AI-901 (Python 必須化で技術ハードル高)、2 位 SC-900 / DP-900 (Defender 製品多数 or SQL 基礎理解必要)、3 位 AZ-900 / MS-900 (概念中心で最も平易)。 AZ-900 と MS-900 は IT 経験 1-3 年の社会人なら 15-25 時間で合格圏に届きますが、AI-901 は Python 経験ゼロから入ると 60 時間以上必要というのが体感の差です。
複数取得する場合の推奨順序は、自分の専門領域に応じて 5 通りです。
| 役割 | 推奨順序 |
|---|---|
| インフラエンジニア | AZ-900 → SC-900 → MS-900 → DP-900 → AI-901 |
| データエンジニア | DP-900 → AZ-900 → AI-901 → SC-900 → MS-900 |
| セキュリティ職 | SC-900 → AZ-900 → MS-900 → DP-900 → AI-901 |
| M365 営業 / コンサル | MS-900 → AZ-900 → SC-900 → DP-900 → AI-901 |
| AI エンジニア | AI-901 → AZ-900 → DP-900 → SC-900 → MS-900 |
共通用語 (Entra ID・Storage Account・RBAC・Microsoft Purview) が繰り返し登場するため、後半に進むほど学習時間は短縮されます。 典型的なパターンでは、1 本目に 30 時間かかった人が 5 本目には 10 時間で合格、という累積効率が観測されます。
5 試験合計の受験料は 495 USD (約 66,000 円) ですが、Microsoft Virtual Training Day を活用すれば実質コストを大幅に下げられます。
各試験に対応する Virtual Training Day が定期開催 (日本語回あり) されており、Part 1 + Part 2 完走で受験バウチャー (約 165 USD 相当) が 5 営業日以内に発行されます。 AZ-900 / DP-900 / SC-900 / MS-900 の 4 試験はすべてこの方式でバウチャー獲得可能で、4 試験合計の受験料 396 USD を実質ゼロにできます。 AI-901 のみ GA 直後のため Training Day 対応が後発になっており、現時点では Microsoft Reactor イベントや Cloud Skills Challenge での無料バウチャー取得を狙う必要があります。
Fundamentals 5 試験を全て取得すると、Microsoft 認定の全体像が完全に頭に入っている状態になります。次の標準ルートは Associate 階層への進学です。
インフラ管理者: AZ-104。開発者: AZ-204 (2026 年 7 月退役、後継未発表)。データエンジニア: DP-203 または DP-700。データベース管理者: DP-300。セキュリティ運用: SC-200。ID 管理者: SC-300。AI 開発者: AI-103 (2026 年 6 月 GA)。ネットワーク: AZ-700。Microsoft 365 管理者: MS-102。 Fundamentals 完走者は Associate も 3-6 ヶ月で 1 本取得が現実的で、ここからキャリア軸が明確化していきます。
Azure Fundamentals 5 試験のうち、最初に取るべきはどれ?
目指す役割で決まります。クラウドエンジニア・SE 全般なら AZ-900、データエンジニア / アナリストなら DP-900、SOC / 情シス担当なら SC-900、Microsoft 365 営業 / コンサルなら MS-900、AI エンジニアなら AI-901 から入るのが最短ルートです。役割が決まっていない場合は AZ-900 が最も汎用的で、後続の Associate / Expert への展開がしやすいので推奨されます。すべて 99 USD・45 分・無期限有効という同じスペックなので、複数取得しても学習曲線は累積的に効率化します。
全部取る価値はありますか?
コンサル・SaaS 営業・パートナー企業の SE には強い価値があります。5 試験合計でも 495 USD ですが、Virtual Training Day 経由でバウチャーを獲得すれば実質コストを半額以下に抑えられます。一方で、特定技術領域 (例: SRE) を深掘りしたいエンジニアにとっては、5 試験すべてを取る ROI は低く、AZ-900 だけ取って Associate (AZ-104 等) に直接進む方が効率的です。汎用性 vs 専門性のトレードオフを意識して選ぶのが大切です。
5 試験の取得順序のおすすめは?
標準ルートは AZ-900 → 自分の専門分野の Fundamentals → 残り、です。例えばインフラエンジニアなら AZ-900 → SC-900 → MS-900 → DP-900 → AI-901 が定番。データエンジニアなら DP-900 → AZ-900 → AI-901 → SC-900 → MS-900。共通用語 (Entra ID・Storage Account・RBAC など) が繰り返し登場するため、後半に進むほど学習時間が短縮され、最後の 1 本は 5-10 時間で合格できるレベルに達します。
AI-901 だけは性格が違うと聞きました。本当ですか?
本当です。AZ-900 / DP-900 / SC-900 / MS-900 がコーディング不要の概念中心試験なのに対し、AI-901 (2026 年 6 月 GA、AI-900 後継) はドメイン 2 (配点 55-60%) で Microsoft Foundry SDK を使った Python 実装が中心です。pip install レベルの操作と Python 基本構文 (関数呼び出し・辞書・try/except) が前提となるため、非技術職には引き続き AI-900 が残っていた 2026 年 6 月 30 日までの取得が推奨されました。現時点では非技術職向けの AI 入門認定は実質的に存在しなくなっています。
難易度ランキングは?
難易度順に AZ-900 ≈ MS-900 < DP-900 < SC-900 < AI-901 というのが日本人体験記の共通認識です。AZ-900 と MS-900 は概念中心で平易、DP-900 は SQL の基礎理解が必要、SC-900 は Defender / Purview の製品数が多く混乱しやすい、AI-901 は Python 必須化で技術的ハードルが他の 4 試験より明確に高い、という順序です。とはいえどれも Fundamentals なので、未経験者でも適切な学習で 4-6 週間で合格圏に到達します。
学習時間の合計はどれくらい?
IT 未経験者で 5 試験合計 100-200 時間、IT 経験者で 60-120 時間、別クラウド経験者で 30-60 時間。1 試験ごとの平均は 20-40 時間ですが、共通用語の累積効果で 3 本目以降は 1 本あたり 10-20 時間に短縮されるのが典型パターン。社会人が週末 + 平日夜の学習時間を確保すれば、5 試験を 6 ヶ月以内に完走するのは十分現実的です。
受験料を最も抑えるルートは?
Microsoft Virtual Training Day をフル活用するのが正解。AZ-900 / DP-900 / SC-900 / MS-900 / AI-900 のすべてに対応する Training Day が定期開催されており (日本語回あり)、Part 1 + Part 2 完走で受験バウチャー (約 165 USD 相当) が無料発行されます。5 試験すべてこの方式で取得すれば、本来 495 USD の受験料を実質 0 円に抑えられます。AI-901 のみ Training Day 対応が GA 後に正式化されるため、現時点では別ルート (Microsoft Reactor イベントなど) を探す必要があります。
5 試験すべて取った後の次のステップは?
Associate 階層に進むのが標準ルートです。役割別に、インフラ管理者は AZ-104、開発者は AZ-204 (2026 年 7 月退役注意)、データエンジニアは DP-203 または DP-700、セキュリティは SC-200 / SC-300、AI 開発者は AI-103 (2026 年 6 月 GA) というのが定番。Fundamentals 5 試験を完走している人は Microsoft 認定の体系を完全に理解できているため、Associate ティアの学習効率も高く、3-6 ヶ月で 1-2 本の Associate 取得が現実的です。
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本記事の試験情報は Microsoft Learn 公式 Credentials ページ に基づいています。 本記事は Microsoft Corporation の公式商品ではなく、いかなる提携・後援関係もありません。 Microsoft、Azure、Microsoft 365、Microsoft Entra、Microsoft Foundry、Microsoft Defender、Microsoft Purview は Microsoft group of companies の商標です。 情報は 2026 年 5 月 24 日時点の公式公開資料に基づきます。最新情報は必ず公式ページをご確認ください。
NicheeLab編集部
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