Microsoft Certified: Azure Developer Associate (AZ-204) は、Azure 上でクラウドアプリケーションを開発するエンジニア向けの Associate 認定です。 AZ-104 (運用管理) と並ぶ Azure 系 Associate の双璧として長らく君臨してきましたが、Microsoft は 2026 年 7 月 31 日でのリタイアを発表しました。 後継試験の正式名称・GA 日は本記事公開時点で未発表で、新規受験者にとってはタイミング判断が極めて難しい状況です。 本記事では、出題範囲、リタイア対応の 3 戦略、AZ-104 / AZ-400 / AI-103 への代替ルートまで、AZ-204 の現状を整理します。
AZ-204 の特徴は、C# / Python / JavaScript / Java / Go など複数言語のコードスニペットが出題されること。 App Service・Functions・Cosmos DB SDK・Service Bus・API Management といった開発者ターゲット機能を、SDK レベルで実装できるかが問われ、AZ-104 よりも明確に「開発寄り」の試験です。 2024 年以前は Azure 開発者ロールの事実上の必修認定でしたが、2026 年のリタイアでこのポジションは空白期に入ります。
AZ-204 の試験仕様は Associate ティア共通です。120 分・40 ~ 60 問、合格点 700 / 1000、165 USD / 21,103 円、12 ヶ月有効。 Pearson VUE 経由で OnVUE オンラインまたはテストセンターで受験可能、日本語含む多言語対応。 試験形式は選択肢問題に加え、コードスニペットを読んで挙動を答える問題、APIs を呼び出す手順をドラッグ&ドロップで並べる問題が頻出。
Microsoft が 2026 年 1 月に発表した AZ-204 のリタイアは、AI-900 → AI-901 や AI-102 → AI-103 の改訂と同じく、近年の認定再編の一部です。 ただし AI 系のように明確な後継試験が同時発表されたわけではなく、後継未発表のままリタイア決定された点が特異です。
背景には、Microsoft の開発者向け戦略が「Azure SDK の単純な利用」から「Microsoft Foundry SDK による AI エージェント開発」へとシフトしている影響があります。 実際、2026 年 6 月 GA 予定の AI-103 (Developing AI Apps and Agents on Azure) は、従来の AI-102 (Azure AI Engineer) と AZ-204 の一部 (Functions・API Management・Cosmos DB との統合) を統合した性格を持っており、事実上の新時代の開発者認定のポジションを取りつつあります。
リタイア後の影響は以下の通り。新規受験不可: 2026 年 8 月以降は受験予約不可。既存合格者の認定継続: 12 ヶ月の有効期限まで認定継続。renewal assessment: リタイア後も renewal が可能かは Microsoft が個別告知予定 (2026 年 5 月時点では公式アナウンスなし)。 新規取得意欲のある人は、7 月までの駆け込み受験を真剣に検討する時期です。
配点比率が最大のドメインで、Azure の開発者向けコンピュート機能を扱います。 中心は Azure App Service (PaaS Web アプリ) の展開・スケール・Deployment slot、Azure Functions (FaaS) のトリガー / バインディング・Durable Functions パターン、Azure Container Apps と AKS・ACI・Azure Container Registry (ACR) のコンテナ系サービス。 Functions のトリガー種類 (HTTP / Timer / Blob / Queue / Service Bus / Event Grid / Cosmos DB / Event Hub) とバインディングの input/output 設計は頻出。 Durable Functions の 4 パターン (Function chaining・Fan-out/Fan-in・Async HTTP API・Monitor) も覚えておく必要があります。
Azure ストレージサービスの SDK レベルの利用を問うドメイン。 中心は Azure Blob Storage SDK (BlobServiceClient・ContainerClient・BlobClient の階層、Blob 種類 [Block/Append/Page]、メタデータ、アクセス層変更)、Cosmos DB SDK (パーティションキー設計・整合性レベル・RU/s 計算・Stored Procedure・Change Feed)、Table Storage SDK のシンプルな CRUD 操作。 コードを書く問題で C# / Python の両方が出題されるため、自分の主力言語のサンプルコードは GitHub の Azure-Samples リポジトリで読んでおくと有利です。
セキュリティ実装ドメインで、ID 認証と機密情報管理を扱います。 中心は Microsoft Entra ID 認証 (MSAL ライブラリでの OAuth 2.0 / OIDC 実装、Authorization Code Flow / Client Credentials Flow / Device Code Flow)、Managed Identity (System-assigned / User-assigned)、Azure Key Vault によるシークレット / キー / 証明書管理、Microsoft Graph API の呼び出し、App Configuration によるアプリ構成管理。 Managed Identity を使うと「シークレットをコードに書かずに Azure リソースへ認証できる」というシンプルな原則を体感しておくと、本ドメインの問題は確実に取れます。
運用フェーズの開発者向けスキルを問います。Application Insights による APM (リクエストトラッキング・依存関係マップ・例外追跡・ライブメトリック)、Log Analytics による集中ログ分析と KQL クエリ、Azure Cache for Redis による高速キャッシュ実装、Azure CDN / Azure Front Door による静的コンテンツ配信。 Application Insights のサンプルクエリと、Redis Cache の Set/Get/TTL の基本パターンを書けるレベルが期待されます。
Azure サービスやサードパーティサービスとの統合を問うドメイン。 中心は API Management (API ゲートウェイ・ポリシー・サブスクリプション・製品)、Event Grid (イベントベースのアーキテクチャ)、Event Hubs (大量データ取り込み)、Service Bus (エンタープライズメッセージング、Queue / Topic / Subscription)、Storage Queue との違い。 Event Grid (反応性高、低コスト) と Event Hubs (大量ストリーミング) と Service Bus (信頼性高、エンタープライズ) の使い分けは頻出。
戦略 1: 駆け込み受験。すでに学習が進んでいる人、または 3 ヶ月以内に集中学習できる人は、2026 年 7 月までの駆け込み受験が有効。12 ヶ月有効なので、認定保持期間中に後継試験の発表を待てる。
戦略 2: AZ-104 で代替。これから学習開始する人、リタイア試験への投資 ROI が見合わないと判断する人は、AZ-104 (Azure Administrator) を取得して後継試験を待つのが最も安全。AZ-104 は Azure 認定の中核で、Architect (AZ-305) や DevOps (AZ-400) へのいずれのルートにも繋がる。
戦略 3: AI-103 にシフト。生成 AI 時代の新しい開発者ロールに乗り換える。2026 年 6 月 GA の AI-103 は、AI-102 の後継かつ AZ-204 の一部機能 (Functions・API Management・Cosmos DB との統合) を統合した性格を持つ。Microsoft Foundry SDK の習得が前提で、Python 経験が必須。AI 開発者キャリアを志す人には最も先進的な選択肢。
AZ-204 はどんな試験ですか?
Microsoft Certified: Azure Developer Associate (AZ-204) は、Azure 上でクラウドアプリケーションを開発するエンジニア向けの Associate 認定です。120 分・40-60 問・165 USD・700/1000 点合格・12 ヶ月有効・日本語含む多言語対応。C# / Python / JavaScript / Java / Go など複数言語のコードスニペットが出題され、App Service・Functions・Cosmos DB・Storage SDK・Service Bus・API Management などの開発者ターゲット機能が中心。AZ-104 (運用管理) と並ぶ Azure 系 Associate の双璧でしたが、2026 年 7 月 31 日にリタイア予定で後継試験が未発表のため、新規受験者には判断難しい状況です。
2026 年 7 月のリタイアって本当?
本当です。Microsoft は 2026 年 1 月に AZ-204 の 2026 年 7 月 31 日でのリタイアを発表しました。リタイア後は新規受験不可で、すでに合格済みの認定保有者は有効期限 (12 ヶ月) まで認定継続可能。後継試験の正式名称・GA 日は本記事公開時点で未発表で、Microsoft Learn 上にも明確な後継ロードマップが示されていません。新規受験を検討している人にとっては難しいタイミングで、戦略選択肢として『1) 2026 年 7 月までに駆け込み受験』『2) AZ-104 で代替』『3) 後継試験を待つ』の 3 通りがあります。
今から受験する価値はありますか?
状況次第です。すでに 2026 年中の認定取得を目指して学習が進んでいる人は、6 月までの駆け込み受験が有効。合格すれば 12 ヶ月有効でその間に後継試験の発表を待てます。一方、これから学習開始する人にとっては、200 時間以上の投資を翌年 1 年でしか活かせないため ROI が低い。代替として AZ-104 を取得し、後継試験の発表を待つのが現実的な選択肢です。すでに合格済みの保有者は不利益なし。renewal assessment での更新がリタイア後も可能かは Microsoft が個別に告知予定です。
出題ドメインと配点は?
5 ドメイン構成です。Azure compute solutions の開発 (25-30%) で App Service・Functions・Container Apps・ACR・AKS。Azure storage の開発 (15-20%) で Blob SDK・Cosmos DB SDK・Table Storage。Azure security の実装 (20-25%) で Entra ID 認証・Managed Identity・Key Vault・OAuth 2.0 / OIDC。Azure ソリューションのモニター・トラブルシューティング・最適化 (15-20%) で App Insights・Log Analytics・キャッシュ。Azure サービスとサードパーティサービスとの接続と利用 (15-20%) で API Management・Event Grid・Event Hub・Service Bus。
実機演習は何が必須ですか?
コードを書く問題が頻出するため、ハンズオン経験は AZ-104 よりも強く要求されます。最低限のサイクル: 1) Visual Studio または VS Code で C# / Python のシンプルな関数を書き、Azure Functions にデプロイする、2) Cosmos DB SDK で CRUD 操作を試す (Container 作成・Item Insert・Query・Delete)、3) Entra ID で OAuth 2.0 認証を MSAL ライブラリで実装、4) API Management で公開 API を 1 つラップする、5) Service Bus キューでメッセージ送受信を行う。Microsoft Learn の AZ-204 学習パスにはこれらのハンズオン Lab が組み込まれており、無料で完了可能です。
学習時間と合格ロードマップは?
経験背景で大きく分かれます。アプリ開発経験 3 年以上で 100-150 時間、Azure 経験あり開発経験浅めで 150-250 時間、未経験者で 300 時間以上というのが平均レンジ。AZ-104 取得済みなら ID / Storage 領域は短縮可能。3-4 ヶ月の集中学習が目安で、Microsoft Learn 学習パス (約 80 時間)、公式 Practice Assessment、Microsoft 公式 GitHub サンプルの読解と実行、Visual Studio Code + Azure 拡張機能の習得が王道。Python 主体の人は Java / .NET の概念だけ理解しておけば本試験は対応可能です。
受験料と支払い方法は?
165 USD / 21,103 円(税込)、Pearson VUE 経由のクレジットカード払いが標準です。Microsoft Reactor のハンズオンイベント、Cloud Skills Challenge の完走バウチャー、企業契約の Microsoft Azure Pass、AZ-204 を含むコース完走特典などで割引・無料取得が可能。リタイア発表後は無料バウチャーキャンペーンが縮小傾向のため、駆け込み受験を狙う場合は早期予約が安全です。
AZ-204 の代替・後継ルートは?
3 つの選択肢があります。1) AZ-104 (Administrator) を取り、後継試験の発表を待つ — 最も安全な王道ルート。2) AZ-400 (DevOps Engineer Expert) を取り、開発者ロールから DevOps エンジニアへ軸足を移す — 開発寄りのキャリアを保ちつつ Expert を取れる。3) AI-103 (Developing AI Apps and Agents on Azure、2026 年 6 月 GA) を取り、AI 開発者にシフト — 生成 AI 時代の新しい開発者ロールを先取り。事業会社や SI で従来の Azure アプリ開発を続ける場合は 1)、新興領域に乗りたい場合は 3) が推奨です。
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本記事の試験情報は Microsoft Learn 公式 AZ-204 ページ および公式 Study Guide に基づいています。 本記事は Microsoft Corporation の公式商品ではなく、いかなる提携・後援関係もありません。 Microsoft、Azure、Microsoft Entra、Microsoft Foundry は Microsoft group of companies の商標です。 情報は 2026 年 5 月 24 日時点の公式公開資料に基づきます。リタイアタイムラインは Microsoft の今後の発表で変更される可能性があるため、必ず公式ページで最新情報をご確認ください。
NicheeLab編集部
データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。
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