第 0 部 第 8 章 読了目安 5 分

お金はどうかかるのか

クラウドは「使った分だけ払う」と言われます。だいたい合っていますが、止めても止まらないものがあります。ここを知らないと請求書で驚きます。

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第 0 部の全 8 章はそのまま読めます。資格の話は出てきません。

この章で学ぶこと

  • 何に対して課金されているか説明できる
  • 止めても止まらない費用があると分かる
  • 安くする方向が 3 つあると分かる
  • 使いすぎを防ぐ仕組みの限界が分かる

この章に出てくる用語

確保しているぶんの課金
実際に使っていなくても、自分のために取り置かれている状態に対してかかる料金のこと。置いてあるディスクや、取っておいた住所がこれにあたります。止めただけでは止まりません。消すまで続くので、「止めたのに減らない」の原因になります。
転送量の課金
クラウドから外へ出ていくデータの量に対してかかる料金のこと。入ってくるぶんは無料のことが多く、出ていくぶんだけ課金されるのが一般的です。見落とされやすく、請求で驚く原因の上位に入ります。
長期利用の割引
1 年や 3 年の利用を先に約束するかわりに、単価を下げてもらう仕組みのこと。ずっと動かし続けるものには効きますが、途中でやめても約束したぶんは払うことになります。量が読めているものにだけ使う、というのが基本の判断です。
余り枠の利用
提供元が余らせている分を、安く借りるかわりに、必要になったら取り上げられる前提で使う仕組みのこと。途中で止まっても困らない処理に向きます。止まると困るものには使えません。
予算アラート
決めた金額に近づいたとき、または超えたときに知らせを出す設定のこと。知らせるだけの仕組みで、自動で何かを止めてはくれない点に注意が要ります。本当に止めたいなら、通知をきっかけに止める仕組みを別に作ることになります。

8-1 何に対して払っているのか

第 1 章で、クラウドは使った時間だけ払う形だと書きました。だいたい合っていますが、「使った」が何を指すかは 1 つではありません。

何に対して数え方例
動かした時間起動していた秒数・時間仮想マシン
置いてある量月あたりの平均容量ディスク、オブジェクトストレージ
出ていったデータ外へ送った量利用者へ返したページや画像
実行した回数処理を呼んだ回数短い処理を都度動かす仕組み
確保しているぶん取り置いている間ずっと使っていない住所、未接続のディスク

表 8-1 課金の数え方は 5 つに分けられる

最初の 1 つだけを見ていると、請求書で驚きます。止めたはずなのに減らない、という状況のほとんどは、残りの 4 つが効いています。

入ってくるぶんは無料が多い

データが外へ出ていくぶんには課金され、入ってくるぶんは無料、というのが一般的です。大量のデータを預けること自体は安く、それを何度も取り出して外へ配るほうが高くつくという形になっています。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

一般に、データが ぶんに対して転送量の課金がかかる。

8-2 止めても止まらないもの

ここがいちばん誤解されるところです。仮想マシンを止めても、料金が全部止まるわけではありません。

  • OS が入っているディスクは残ります。残っているあいだ、置いてある量として課金されます。
  • 取っておいた外向きの住所も残ります。使っていなくても、取り置いている間は課金されることがあります。
  • バックアップも残ります。これも置いてある量です。

止まるのは、動かした時間に対する課金だけです。残りは「自分のために取り置かれている」ことへの課金なので、消すまで止まりません。

止め方が 2 つある

画面の「停止」には、割り当てを解除するものと、OS を落とすだけで割り当てが残るものがあります。後者だと動かした時間の課金すら止まりません。「止めたのに課金されている」の原因の多くがこれです。試験でも繰り返し問われます。

検証のために作ったものを消し忘れる、というのも典型です。作るのが数分で終わるぶん、増えやすく、増えたことに気づきにくい。これはクラウドの性質と裏表の関係にあります。

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空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

仮想マシンを止めても、 に対する課金は続く。

8-3 安くする方向は 3 つ

安くする方向は 3 つしかありません。順に効きます。

  1. 使わないものを消す —— いちばん効きます。止めるのではなく消します。前の節のとおり、止めただけでは残るものがあります。
  2. 大きさを合わせる —— 必要より大きいものを借りていないか見ます。作るときは余裕を見て大きめにしがちで、そのまま使われ続けます。
  3. 払い方を変える —— ずっと動かし続けるものは、長期利用の割引で単価を下げられます。途中で止まってよい処理は、余り枠で安く動かせます。
払い方向いているもの注意
そのまま(従量課金)量が読めないもの、検証いちばん高いが縛りが無い
長期利用の割引ずっと動かし続けるもの途中でやめても約束したぶんは払う
余り枠の利用途中で止まっても困らない処理取り上げられることがある

表 8-2 払い方を変える前に、まず消すこと

順番が大事です。要らないものを残したまま割引を買うと、要らないものを安く買い続けることになります。消す、合わせる、それから払い方、の順で見ます。

使いすぎを防げるか

決めた金額に近づいたら知らせる、という設定があります。予算アラートと呼びます。ただし、これは知らせるだけです。

予算を設定してもリソースは止まらない

超えても自動で止めてはくれません。 通知が飛ぶだけです。本当に止めたいなら、通知をきっかけに自分で止める仕組みを別に作ることになります。「予算を設定すれば使いすぎを防げる」は、試験では誤りとして扱われます。

これで第 0 部は終わりです。クラウドが何で、何を借りていて、どこに置かれ、どうつながり、データがどんな形で、壊れたらどうして、誰が何をしてよくて、いくらかかるのか。ここまでが、資格の範囲に入る前の土台になります。

確認 — 穴あけ 2 問

0 / 2

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

予算に決めた金額を超えたとき、クラウドは 。

費用を下げるときは、割引を買う前にまず ことから始める。

この章のまとめ

  1. 課金の数え方は、時間・量・転送・回数・確保しているぶんの 5 つ
  2. 外へ出ていくデータには課金され、入ってくるぶんは無料が多い
  3. 止めても、ディスクや取り置いた住所の課金は消すまで止まらない
  4. 安くする順番は、消す → 大きさを合わせる → 払い方を変える
  5. 予算を設定しても自動では止まらない。通知するだけ

この章で扱わなかったこと

料金表の数字 / 各社の割引プランの比較 / 見積もりツールの使い方

これらは資格の範囲に入ってから扱います(コスト管理の章)。

ここから先は、試験の範囲に入ります

第 0 部で出てきた考え方が、製品ごとにどういう名前と設定になっているかを見ていきます。

この章の根拠

AWS のコスト管理(AWS)コスト管理のベストプラクティス(Microsoft Learn)

最終確認 2026-10-04 / 対応バージョン DEA 2026-05-04 改訂版