第 0 部 第 1 章 読了目安 6 分
この章ではサービス名が出てきません。「クラウド」という言葉が何を指していて、それ以前と何が変わったのかだけを扱います。
無料・登録不要
第 0 部の全 8 章はそのまま読めます。資格の話は出てきません。
この章で学ぶこと
この章に出てくる用語
会社でウェブサイトを公開したい、としましょう。クラウドが無かったころは、そのためのコンピューターを買うところから始めました。買ったら置く場所が要ります。電源が落ちない部屋、太いインターネット回線、熱がこもらないようにする空調。壊れたときのために予備も買っておきます。
注文してから実際に使い始めるまでに、数週間かかるのが普通でした。そして公開したあと、思ったよりアクセスが多ければコンピューターを買い足します。逆に少なければ、買ったものは余ったままです。返せません。
困っていたのはここです。要るかどうか分からない量を、先に全部買わないといけませんでした。多めに買えば余り、少なめに買えば足りなくなる。どちらに転んでも損をします。
クラウドは、このコンピューターを他社のものから必要なぶんだけ借りて、使った時間だけ払う形にしたものです。申し込みは画面の操作だけで、数分後には使えます。要らなくなったら減らせて、減らした時点で料金も止まります。
借りる相手は誰か
コンピューターとその置き場所を大量に用意して、細かく区切って貸し出している会社があります。代表的なのは AWS、Microsoft Azure、Google Cloud の 3 社です。この本で扱う資格は、どれもこのうちのどれかの使い方を問うものです。
確認 — 穴あけ 1 問
0 / 1
空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。
クラウドが出てくる前にいちばん困っていたのは、要るかどうか分からない量を 点だった。
自分でコンピューターを買って持つやり方を、オンプレミスと呼びます。クラウドの説明では必ず比較の相手として出てくる語なので、ここで覚えてしまってください。
| オンプレミス(持つ) | クラウド(借りる) | |
|---|---|---|
| 使い始めるまで | 数週間 | 数分 |
| 増やしたいとき | 買い足す | 画面で台数を増やす |
| 減らしたいとき | 減らせない。買ったものは残る | 減らせる。料金も止まる |
| 払い方 | 先にまとめて払う | 使った時間だけ払う(従量課金) |
| 壊れたとき | 自分で部品を調達して直す | 借り直せばよい |
| 置き場所・電源・空調 | 自分で用意する | 相手が用意している |
表 1-1 持つ場合と借りる場合
いちばん大きい違いは「減らせるかどうか」です。増やすだけならオンプレミスでもできました。要らなくなったぶんを返して料金を止められる、というのがクラウドで初めて手に入ったことです。
クラウドのほうが安い、とは限らない
借りる形は、量が読めないときに強い仕組みです。逆に、使う量が年中ほぼ一定で何年も動かし続けると決まっているなら、買ってしまったほうが安くなることがあります。どちらが優れているという話ではなく、量が読めるかどうかで変わります。
なお、両方を使う会社も多くあります。社内の決まりで外に出せないデータだけ自社に置き、それ以外はクラウドに置く、といった形です。「どちらか一方を選ばなければならない」というものではありません。
確認 — 穴あけ 2 問
0 / 2
空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。
自分でコンピューターを買って持つやり方を と呼ぶ。
オンプレミスと比べたときのクラウドのいちばん大きな違いは、 ことである。
ここまで「コンピューターを借りる」と書いてきましたが、借りられるものはそれだけではありません。どこまでを自分でやり、どこからを相手に任せるかで、段階が分かれています。
下にいくほど自由がきかなくなり、そのかわり手入れの手間が減ります。2 と 3 には名前が付いていて、2 を IaaS(イアース)、3 を PaaS(パース)、4 を SaaS(サース)と呼びます。資格の問題文に普通に出てくるので、読み方だけ知っておいてください。
この本が主に扱うのは 2 と 3
資格で問われるのは、コンピューターごと借りる使い方(2)と、動かす土台ごと借りる使い方(3)がほとんどです。1 はクラウド以前からあるやり方、4 は使う側の話で、作る側の試験にはあまり出てきません。
次の章では、そもそもサーバーとは何をしているコンピューターなのかを見ます。借りるものの中心がこれなので、ここが分かると以降の章がぐっと読みやすくなります。
確認 — 穴あけ 1 問
0 / 1
空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。
OS やデータベースの面倒は相手が見てくれて、自分は作ったプログラムを置くだけ、という借り方を と呼ぶ。
この章のまとめ
この章で扱わなかったこと
具体的なサービス名 / 料金の計算 / どのクラウドを選ぶか
これらは資格の範囲に入ってから扱います(全体の前提)。
この章の根拠
最終確認 2026-10-04 / 対応バージョン DEA 2026-05-04 改訂版