第 0 部 第 1 章 読了目安 6 分

そもそもクラウドとは

この章ではサービス名が出てきません。「クラウド」という言葉が何を指していて、それ以前と何が変わったのかだけを扱います。

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第 0 部の全 8 章はそのまま読めます。資格の話は出てきません。

この章で学ぶこと

  • クラウドという言葉が何を指すのかを説明できる
  • 買って持つ場合と借りる場合の違いを 3 つ挙げられる
  • オンプレミスという語の意味が分かる
  • 借りられるのは置き場所だけではないと分かる

この章に出てくる用語

クラウド
コンピューターやその置き場所を、自分で買わずに他社から必要なぶんだけ借りて、使った時間や量に応じて払う形のこと。インターネット越しに申し込み、画面の操作だけで数分後に使い始められるのが特徴です。
サーバー
ほかのコンピューターからの求めに応じて、ずっと動き続けているコンピューターのこと。中身は手元の PC と変わりません。止めない前提で置かれている点と、人が直接画面を見て操作しない点が違います。
データセンター
サーバーを大量に並べるために建てられた建物。安定した電源、太いインターネット回線、冷やすための空調、入退室の管理がひとそろい用意されています。クラウドで借りるコンピューターはこの中にあります。
オンプレミス
コンピューターを自分たちで買い、自社または借りた場所に置いて運用するやり方。クラウドが出てくる前はこれしかありませんでした。クラウドの説明では比較の相手としてよく出てきます。
従量課金
使った時間や量に応じて料金が決まる払い方。電気や水道と同じ考え方です。先にまとめて買うのではないので、使わなくなったら減らせます。クラウドの料金はほとんどがこの形ですが、置いてあるだけで課金されるものもあります。

1-1 なぜ借りる形になったのか

会社でウェブサイトを公開したい、としましょう。クラウドが無かったころは、そのためのコンピューターを買うところから始めました。買ったら置く場所が要ります。電源が落ちない部屋、太いインターネット回線、熱がこもらないようにする空調。壊れたときのために予備も買っておきます。

注文してから実際に使い始めるまでに、数週間かかるのが普通でした。そして公開したあと、思ったよりアクセスが多ければコンピューターを買い足します。逆に少なければ、買ったものは余ったままです。返せません。

困っていたのはここです。要るかどうか分からない量を、先に全部買わないといけませんでした。多めに買えば余り、少なめに買えば足りなくなる。どちらに転んでも損をします。

クラウドは、このコンピューターを他社のものから必要なぶんだけ借りて、使った時間だけ払う形にしたものです。申し込みは画面の操作だけで、数分後には使えます。要らなくなったら減らせて、減らした時点で料金も止まります。

借りる相手は誰か

コンピューターとその置き場所を大量に用意して、細かく区切って貸し出している会社があります。代表的なのは AWS、Microsoft Azure、Google Cloud の 3 社です。この本で扱う資格は、どれもこのうちのどれかの使い方を問うものです。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

クラウドが出てくる前にいちばん困っていたのは、要るかどうか分からない量を 点だった。

1-2 持つ場合と借りる場合

自分でコンピューターを買って持つやり方を、オンプレミスと呼びます。クラウドの説明では必ず比較の相手として出てくる語なので、ここで覚えてしまってください。

オンプレミス(持つ)クラウド(借りる)
使い始めるまで数週間数分
増やしたいとき買い足す画面で台数を増やす
減らしたいとき減らせない。買ったものは残る減らせる。料金も止まる
払い方先にまとめて払う使った時間だけ払う(従量課金)
壊れたとき自分で部品を調達して直す借り直せばよい
置き場所・電源・空調自分で用意する相手が用意している

表 1-1 持つ場合と借りる場合

いちばん大きい違いは「減らせるかどうか」です。増やすだけならオンプレミスでもできました。要らなくなったぶんを返して料金を止められる、というのがクラウドで初めて手に入ったことです。

クラウドのほうが安い、とは限らない

借りる形は、量が読めないときに強い仕組みです。逆に、使う量が年中ほぼ一定で何年も動かし続けると決まっているなら、買ってしまったほうが安くなることがあります。どちらが優れているという話ではなく、量が読めるかどうかで変わります。

なお、両方を使う会社も多くあります。社内の決まりで外に出せないデータだけ自社に置き、それ以外はクラウドに置く、といった形です。「どちらか一方を選ばなければならない」というものではありません。

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空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

自分でコンピューターを買って持つやり方を と呼ぶ。

オンプレミスと比べたときのクラウドのいちばん大きな違いは、 ことである。

1-3 借りられるのは場所だけではない

ここまで「コンピューターを借りる」と書いてきましたが、借りられるものはそれだけではありません。どこまでを自分でやり、どこからを相手に任せるかで、段階が分かれています。

  1. 置き場所だけ借りる —— コンピューターは自分で買い、建物と電源と回線だけ借ります。クラウドが出てくる前からあったやり方です。
  2. コンピューターごと借りる —— 中に入れる OS やソフトは自分で選んで入れます。自由がきくかわりに、手入れも自分でします。
  3. 動かす土台ごと借りる —— OS やデータベースは相手が面倒を見てくれて、自分は作ったプログラムを置くだけです。
  4. 完成したサービスを借りる —— メールや表計算のように、使うだけのものです。作る必要がありません。

下にいくほど自由がきかなくなり、そのかわり手入れの手間が減ります。2 と 3 には名前が付いていて、2 を IaaS(イアース)、3 を PaaS(パース)、4 を SaaS(サース)と呼びます。資格の問題文に普通に出てくるので、読み方だけ知っておいてください。

この本が主に扱うのは 2 と 3

資格で問われるのは、コンピューターごと借りる使い方(2)と、動かす土台ごと借りる使い方(3)がほとんどです。1 はクラウド以前からあるやり方、4 は使う側の話で、作る側の試験にはあまり出てきません。

次の章では、そもそもサーバーとは何をしているコンピューターなのかを見ます。借りるものの中心がこれなので、ここが分かると以降の章がぐっと読みやすくなります。

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空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

OS やデータベースの面倒は相手が見てくれて、自分は作ったプログラムを置くだけ、という借り方を と呼ぶ。

この章のまとめ

  1. クラウドは、コンピューターを必要なぶんだけ借りて使った時間だけ払う形
  2. 自分で買って持つやり方をオンプレミスと呼ぶ
  3. いちばんの違いは、要らなくなったぶんを減らせること
  4. 量が読めるなら、持つほうが安くなることもある
  5. 借りられるのは置き場所・コンピューター・動かす土台・完成品の 4 段階

この章で扱わなかったこと

具体的なサービス名 / 料金の計算 / どのクラウドを選ぶか

これらは資格の範囲に入ってから扱います(全体の前提)。

この章の根拠

NIST SP 800-145 The NIST Definition of Cloud Computingクラウドコンピューティングとは?(AWS)クラウド コンピューティングとは(Microsoft Azure)

最終確認 2026-10-04 / 対応バージョン DEA 2026-05-04 改訂版