第 0 部 第 4 章 読了目安 5 分

コンピューター同士はどうつながるか

サーバーは 1 台では何もしません。ほかのコンピューターとつながって初めて役に立ちます。つなぐのに要るものは 3 つだけです。

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第 0 部の全 8 章はそのまま読めます。資格の話は出てきません。

この章で学ぶこと

  • IP アドレスが何の役割を持つか説明できる
  • ポートで何が分かれているのかが分かる
  • DNS が何を引いているのかが分かる
  • 内と外を分ける考え方が分かる

この章に出てくる用語

IP アドレス
ネットワーク上のコンピューターに付ける住所のこと。192.0.2.10 のような数字の並びで表します。届け先を指すものなので、同じネットワークの中で重複することはできません。手紙の宛先住所にあたります。
ポート
1 台のコンピューターの中で、どのソフトに渡すかを分ける番号のこと。0 から 65535 まであります。住所が建物なら、ポートはその建物の中の部屋番号にあたります。ウェブは 443 番をよく使います。どの番号を外から触らせるかが、そのままセキュリティの設計になります。
DNS
人が読める名前と IP アドレスの対応表を引く仕組みのこと。example.com という名前から住所を調べます。住所は変わることがあるので、名前のほうを覚えておいて、その都度引き直すという作りになっています。
プライベート IP アドレス
自分たちのネットワークの中だけで使う住所のこと。外からは直接たどり着けません。社内の内線番号にあたります。クラウドで借りたコンピューター同士は、まずこの住所でつながります。
ファイアウォール
どこからどこへの通信を通すかを決める仕組みのこと。通してよいものだけを並べ、それ以外は落とします。クラウドでは、借りたコンピューターごと、またはまとまりごとに設定します。既定では外からの通信をすべて落とす作りになっているものがほとんどです。

4-1 住所をつける(IP アドレス)

第 2 章で、クライアントがサーバーに「このページをください」と求める、と書きました。求めるには相手がどこにいるか分からないといけません。そのための住所が IP アドレスです。

192.0.2.10 のように、数字を点で区切った並びで表します。手紙の宛先と同じで、同じネットワークの中で重複することはできません。重複すると、どちらに届ければよいか分からなくなります。

住所には 2 種類あります。インターネットのどこからでもたどり着けるものと、自分たちのネットワークの中だけで通じるものです。後者をプライベート IP アドレスと呼びます。会社の内線番号と同じで、外から直接はかけられません。

クラウドではまず内線でつなぐ

借りたコンピューターを複数台並べるとき、その間はプライベート IP アドレスでつなぎます。外から直接触られる必要が無いものに外向きの住所を付けると、それだけで攻撃の的が増えます。外に出すのは必要なものだけ、が原則です。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

自分たちのネットワークの中だけで通じる住所を と呼ぶ。

4-2 窓口を分ける(ポート)

住所だけでは足りません。1 台のコンピューターの中では、ウェブを返すソフトと、データベースのソフトと、文字の命令を受け付けるソフトが同時に動いています。届いた通信をどれに渡すかを分ける必要があります。

それがポートです。0 から 65535 までの番号で、住所が建物ならポートは部屋番号にあたります。

番号何に使われるか備考
443暗号化されたウェブ(HTTPS)いまのウェブはほぼこれ
80暗号化されていないウェブ(HTTP)443 へ案内するためだけに開けることが多い
22文字の命令で遠くから操作する(SSH)Linux のサーバーを触るときに使う
3389画面ごと遠くから操作する(RDP)Windows のサーバーを触るときに使う

表 4-1 よく出てくるポート番号

どのポートへの通信を通すかを決めるのがファイアウォールです。通してよいものだけを並べ、それ以外は落とします。クラウドでは、借りたコンピューターごと、またはまとまりごとに設定します。

開けるポートは少ないほどよい

開いているポートは、そのまま入口の数です。必要なものだけを開け、作業が終わったら閉じる。とくに 22 番と 3389 番をインターネット全体に開けたままにするのは、資格の問題でも実務でも、まず誤りとして扱われます。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

1 台のコンピューターの中で、届いた通信をどのソフトに渡すかを分ける番号を と呼ぶ。

4-3 名前で呼ぶ(DNS)

住所は数字の並びなので、人が覚えるのには向きません。それに、サーバーを借り直すと住所は変わります。覚えた住所がいつまでも使える保証がありません。

そこで名前を付けて、名前から住所を引く仕組みを用意しました。これが DNS です。example.com という名前を渡すと、いまの住所を返してくれます。

大事なのは、引き直すという点です。住所が変わっても、対応表を書き換えておけば、利用者は同じ名前のまま新しい住所にたどり着けます。サーバーを入れ替えてもサイトの URL が変わらないのは、この仕組みのおかげです。

つながらないときに最初に疑うところ

「サイトが開かない」とき、原因は 3 つのどれかにだいたい収まります。名前から住所が引けていない(DNS)、住所までは届くが入口が閉まっている(ポートとファイアウォール)、入口は開いているが中のソフトが動いていない。この順で切り分けると速いです。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

名前から IP アドレスを引く仕組みを と呼ぶ。

4-4 内と外を分ける

ここまでをまとめると、クラウドでコンピューターを並べるときの基本の形が見えてきます。

  1. 自分たちのネットワークを 1 つ用意し、その中にコンピューターを置きます。
  2. コンピューター同士はプライベート IP アドレスでつなぎます。外からは見えません。
  3. 外から触られる必要があるものだけに、外向きの住所を付けます。
  4. その 1 台でも、開けるポートは必要なものだけにします。
  5. 外向きの住所に名前を付けて、利用者には名前で来てもらいます。

どの試験でも、ネットワークの問題はこの形の変奏です。「外に出すものを減らす」「開ける入口を減らす」という方向が一貫して正解になります。

次の章では、そのコンピューターが扱うデータそのものを見ます。置き方に 3 つの形があり、どれを選ぶかで値段とできることが変わります。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

ネットワークの設計で一貫して正解になる方向は、外に出すものと開ける入口を ことである。

この章のまとめ

  1. IP アドレスは住所。同じネットワークで重複できない
  2. ポートは部屋番号。443 がウェブ、22 が Linux の遠隔操作
  3. DNS は名前から住所を引く仕組み。住所が変わっても名前は変わらない
  4. 外に出す必要が無いものはプライベート IP アドレスで内側に閉じる
  5. つながらないときは DNS → ポート → ソフトの順に疑う

この章で扱わなかったこと

CIDR の計算 / サブネットの切り方 / ルーティングの詳細

これらは資格の範囲に入ってから扱います(ネットワークの章)。

この章の根拠

Service Name and Transport Protocol Port Number Registry(IANA)RFC 1918 Address Allocation for Private Internets

最終確認 2026-10-04 / 対応バージョン DEA 2026-05-04 改訂版