第 0 部 第 2 章 読了目安 5 分

サーバーとは何をしているコンピューターか

クラウドで借りるものの中心がサーバーです。特別な機械ではなく、手元の PC と中身は変わりません。何が違うのかを見ます。

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第 0 部の全 8 章はそのまま読めます。資格の話は出てきません。

この章で学ぶこと

  • サーバーが普通の PC と何が違うのかを説明できる
  • OS が何をしているのかが分かる
  • 1 台を分けて使う仕組みが分かる
  • クラウドで借りているものの正体が分かる

この章に出てくる用語

クライアント
サーバーに何かを求める側のこと。手元の PC やスマートフォンがこれにあたります。求める側と応える側という役割の名前なので、同じ 1 台のコンピューターが場面によってどちらにもなります。
OS(オペレーティングシステム)
コンピューターの部品を動かし、複数のソフトに順番を割り振り、ファイルを管理する土台のソフト。Windows や Linux がこれにあたります。OS が入っていないコンピューターは、電源を入れても何もできません。
Linux
サーバーでいちばんよく使われている OS。画面が無くても動かせて軽く、無料で使えるものが多いのが理由です。クラウドでコンピューターを借りるとき、OS の選択肢として必ず出てきます。種類がいくつもあり、借りるときにどれを使うかを選びます。
仮想化
1 台のコンピューターの中に、独立して動く複数のコンピューターを作る技術のこと。分けられたそれぞれは、別々の OS を入れられて、互いの影響をほとんど受けません。クラウドを成り立たせている土台です。
仮想マシン
仮想化によって作られた、1 台ぶんとして扱えるコンピューターのこと。使う側から見ると本物のコンピューターと区別がつきません。クラウドで「コンピューターを借りる」とき、届くのはたいていこれです。

2-1 サーバーは何をしているのか

ブラウザでウェブサイトを開いたとき、画面に出ている文字や画像は、手元の PC の中にあったものではありません。どこかにある別のコンピューターに「このページをください」と求めて、送ってもらったものです。

この求める側をクライアント、応える側をサーバーと呼びます。手元の PC がクライアントで、ページを送ってきたほうがサーバーです。これは役割の名前なので、同じ 1 台が場面によってどちらにもなります。

普通の PC と何が違うのか

中身はほとんど変わりません。違うのは置かれ方と使われ方です。

手元の PCサーバー
動いている時間使うときだけずっと(止めない前提)
画面とキーボード付いている付いていないことが多い
操作する人目の前にいる遠くから、文字の命令で
同時に相手にする数1 人何百人・何千人
置き場所机の上データセンターの中

表 2-1 同じコンピューターでも、置かれ方が違う

画面が無いのに、どうやって操作するのか

手元の PC から文字の命令を送って操作します。画面に絵を描く処理が要らないぶん、同じ性能でも多くの相手をさばけます。サーバーで Linux がよく使われるのは、これが得意だからです。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

サーバーに何かを求める側のことを と呼ぶ。

2-2 OS がないと何も動かない

コンピューターは、部品を組み上げただけでは動きません。電源を入れても、何をすればよいか分からないからです。その土台になるのが OS です。

OS がやっているのは、おおまかに次の 3 つです。

  1. 部品の面倒を見る —— 記憶装置やネットワークの部品を、ソフトが直接触らなくても使えるようにします。
  2. 順番を割り振る —— 同時に動いている複数のソフトに、計算する順番を細かく割り当てます。
  3. ファイルを管理する —— どこに何が置いてあるかを覚えていて、名前で取り出せるようにします。

手元の PC では Windows や macOS が使われます。サーバーでは Linux が圧倒的に多くなります。画面を描く必要がなく軽いこと、無料で使えるものが多いこと、文字の命令で遠くから操作しやすいことが理由です。

借りるときに OS を選ぶ

クラウドでコンピューターを借りるとき、どの OS を入れるかは申し込みの時点で選びます。あとから別の OS に入れ替えることはできますが、中に入れたものは消えます。最初に決めるもの、と思っておいてください。

ここで押さえておきたいのは、クラウドで借りても OS の面倒は自分で見る、という点です。更新を当てるのも、入れるソフトを選ぶのも、借りた側の仕事になります。第 1 章で出てきた「コンピューターごと借りる」形では、相手が用意してくれるのは建物と電源とコンピューターまでです。

確認 — 穴あけ 1 問

0 / 1

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

サーバーで Linux がよく使われるのは、画面を描く必要がなく からである。

2-3 1 台を分けて使う(仮想化)

ここで 1 つ問題があります。データセンターに置いてあるコンピューターは高性能で、1 人に 1 台まるごと貸すと、ほとんどの人には余ります。かといって何人かで 1 台を共有させると、誰かが重い処理を始めたときに全員が巻き添えになります。

これを解決したのが仮想化です。1 台のコンピューターの中に、独立して動く複数のコンピューターを作ります。分けられたそれぞれを仮想マシンと呼びます。

  • それぞれに別の OS を入れられます。1 台の中で Linux と Windows が同時に動きます。
  • 使える性能があらかじめ区切られているので、隣が重い処理をしても影響をほとんど受けません。
  • 使う側からは本物のコンピューターと区別がつきません。
  • 要らなくなったら消せます。元の 1 台は残り、別の人に割り当てられます。

だから数分で用意できる

第 1 章で「申し込んで数分で使える」と書きました。これができるのは、本物のコンピューターを運んでくるのではなく、すでに動いている 1 台の中に区画を切っているだけだからです。片付けるのも区画を消すだけなので一瞬で終わります。

クラウドで「コンピューターを借りる」と言うとき、届くのはたいていこの仮想マシンです。借りる台数を増やすというのは、区画を増やすという意味になります。

次の章では、その仮想マシンが実際にどこに置かれているのかを見ます。置かれる場所が、速さと「どこまでの故障に耐えるか」を決めます。

確認 — 穴あけ 2 問

0 / 2

空欄を押すと選択肢が出ます。間違えても減点はありません。

1 台のコンピューターの中に独立して動く複数のコンピューターを作る技術を と呼ぶ。

クラウドで借りたコンピューターが数分で使えるのは、 からである。

この章のまとめ

  1. 求める側がクライアント、応える側がサーバー。役割の名前
  2. サーバーは普通のコンピューター。止めない前提で置かれている点が違う
  3. OS は部品の面倒を見て、順番を割り振り、ファイルを管理する
  4. サーバーでは Linux が多い。画面が要らず軽いため
  5. クラウドで借りるのは、たいてい仮想化で区切られた仮想マシン

この章で扱わなかったこと

インスタンスタイプの選び方 / CPU やメモリの具体的な値 / コンテナ

これらは資格の範囲に入ってから扱います(仮想マシンの章)。

この章の根拠

The Linux Kernel documentation(Linux カーネル公式)Hyper-V の技術概要(Microsoft Learn)

最終確認 2026-10-04 / 対応バージョン DEA 2026-05-04 改訂版